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◇9 ページ13
鼻の奥がツーンとして、目が熱くなる。
涙が溢れそうになって、わたしはその場にしゃがみ込んだ。
「…っ、ぅ…」
声が漏れないように、涙が溢れないように。
必死に目を瞑って唇を噛む。
「おい」
顔を上げなくてもわかる。
「……」
「なんで泣いてんの」
「…っ、」
はぁ、とため息が聞こえたと思ったら、わたしの腕をぐいっと掴んで立たせる。
泣いている顔を見られたくなくて、俯いたままのわたしの腕を掴んだまま、稜雅は歩き出す。
「離して」
「離したらまた泣くじゃん」
「それ、わかってるのに…」
わたしをわかってるのに突き放す稜雅はなんなんだろう。
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作者名：v_no | 作成日時：2018年8月25日 21時
