止められるのは、私だけ ページ18
廃工場に着くと、開久軍団が伊藤くんと京子ちゃんを取り囲んでいた。
京子ちゃんを人質に取られているからか、抵抗もせずただただ殴られ続ける伊藤くん。
ただそこに、相良の姿はなかった。
｢ここは俺が何とかする。Aは急いで三橋の所へ向かえ、相良はきっとそこにいる！｣
『分かった、ありがとう智司くん。』
｢すぐに応援に向かう！｣
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
急いで三橋くんの所へ向かう。
お願い、どうか三橋くんも理子ちゃんも無事でいて。
こうなったら、死んでも相良のこと止めてやる。
『…。』
そこには、拘束された理子ちゃんの上に覆い被さる三橋くん。
相良は鉄パイプで彼の背中を殴り続けていた。
『やめてっ！』
私は、相良と三橋くんの間に割って入った。
その瞬間。
『っ、』
頭に衝撃が走った。
｢…A！？｣
…遠くから相良の声が聞こえる。
気づけば私は地面に倒れ込んでいた。
頭がぼーっとして、視界が歪む。
よく分からないけど、相良の振り回した鉄パイプが頭に直撃したようだ。
待って、死んでも止めるとか言ってたけど。
私、本当に死ぬかもしれない。
｢A！お前何してんだよ、おい、起きろやァ！｣
目はよく見えないけど、彼が私の前にしゃがみこんでいるのが分かる。
｢A！A！｣
相良は何度も私の名前を叫ぶ。
なによ、もう顔も見たくないって言ってたくせに。
遠くからたくさんの足音が聞こえ、誰かがなにか叫んでいる。
あぁ、本当にもう限界だ。
途切れそうな意識の中、私は目の前にいる相良に必死に手を伸ばし、そっと頬に触れた。
気のせいかもしれないけど、指先が少し濡れた気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 248人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まり(プロフ) - 綺羅さん» コメントありがとうございます！きっと相良に近づくために必死なんでしょうね(；▽；)読んでくださり嬉しいです！ (2021年10月27日 7時) (
レス) id: 20cfd2fcf6 (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - かっこいい､､､喧嘩できないのに喧嘩しようとしちゃう夢主ちゃんあたまゆるゆるでカァイイ､､､ (2021年10月27日 0時) (レス) @page27 id: 1c40c756d3 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - RIOさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！やっぱり相良くんしか勝たんです〜っっ (2021年10月10日 23時) (レス) id: 20cfd2fcf6 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - めっちゃ面白かったです！！相良くんを、より好きになりました笑お疲れ様でした！ (2021年10月10日 23時) (レス) @page27 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
私の気分はさくらんぼ(プロフ) - まりさん» わぁ！ありがとうございます笑 (2021年10月9日 22時) (レス) id: b8d201f8af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まり | 作成日時：2021年8月14日 11時
