episode 13 ページ13
智「2人、やんな。」
サラダ用の野菜を切り終えた神ちゃんが呟いた。
『せやな。』
何とも言えない不思議な空間に、時間だけが一定の感覚を保って流れていく。
アタシはパスタを茹で、神ちゃんはソースを作る。
せっかくの機会だし2人で話してみたい、でも邪魔しちゃいけない。
そんなモヤモヤも手伝って、わたしは神ちゃんを意識せざるを得なくなっていた。
智「あんさ、」
『おん。』
智「シゲのさ、どこが好きなん？」
『ん、……んぇっ!?』
あまりに唐突すぎる発言と、あまりに唐突すぎる質問内容に、張り詰めた心が拒絶反応を起こして、変な声が漏れる。
智「っ、変な質問やったよな？ ゴメン忘れて！」
『いやいや、別にええねん。』
言われてみればそうだ。
アタシは大毅のどこが好きなんだろう。
優しいところ、カッコいいところ、
根は真面目なこと、場を盛り上げてくれること、
ホワホワとしたものはあるけど、いざ具体例を出そうと思うとこれと言ったものは無い。
確かに自慢のカレシだけど、告白をOKしたのは確かその場のノリだった。
この5人でカラオケに行って、3人が見守る中の情熱的なラブソングでの告白。
彼氏いない歴＝年齢だったアタシは、告白された、って状況に舞い上がって即OK。
それは神ちゃんも知ってる筈。
智「いや、シゲってうるさいやん？ 高校時代からアイツモテてんけど、それが理由で長続きしてないねん。 ここまでいい感じなんってAちゃんが初めてなんや。」
『そういう事ね。』
智「シゲのこと、これからもよろしくな？ 親友として、シゲを頼みます。」
そこまで言い終わって、お互いにまた作業を始める。
そう言えば、大毅が告ったのはこれが初めてって本人の口から聞いた。
……ということは、恐らくこの恋愛の執着度は大毅の方が高いんだ。
自ら告って大毅に執着した女子は、付き合う前の性格との差に幻滅しちゃったパターンなのか。
と、ここで、最悪な思想がアタシの脳裏をかすめた。
アタシは本当に、大毅のことが好きなのだろうか。
体の熱が引いていくような感覚とは裏腹に、
パスタのために沸騰を待っていたお湯は、熱を増して沸点に達していた。
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さくらいぱす - 頑張ってください！ (2017年5月27日 13時) (
レス) id: 1a43a16d40 (このIDを非表示/違反報告)
Ayuna Ayuna(プロフ) - 高校生だと大変だと思うから体調に気をつけて更新頑張ってくださいね！ (2017年4月9日 21時) (レス) id: fbfe12a45b (このIDを非表示/違反報告)
乃慧琉(プロフ) - 櫻井じゃすみんさん» コメントありがとうございます！ 春休みに完結する予定が、案外忙しくて未だ完成できず申し訳ないです……。 これから高校生になり、更に亀更新になるかと思いますが、頑張って更新するんで、宜しくお願いします<(_ _)> (2017年4月9日 21時) (レス) id: 8a2fa41678 (このIDを非表示/違反報告)
櫻井じゃすみん - 気になります、続き早く見たい (2017年4月9日 18時) (レス) id: 1a43a16d40 (このIDを非表示/違反報告)
乃慧琉(プロフ) - Ayuna Ayunaさん» コメントありがとうございます！ 初コメ、メッチャ嬉しかったです(*ﾟvﾟ*) これからも本作、新作共に頑張っていきますので、これからも応援宜しくお願いします<(_ _)> (2017年3月21日 14時) (レス) id: 8a2fa41678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乃慧琉 | 作成日時：2017年2月22日 22時
