誘 拐 犯 。@K.Tomohiro

episode 10 ページ10

花「オラァァァァー！ このバカ岡大毅め！ あんだけやる気あるって奴がこれかいな！」

大「いや、ちゃうねんって！さっきAにも言うたんやけど…」


智「シゲ、大変そうやな。」

流「自業自得とちゃう？ 俺でもちゃんとやったで。」


大学に着くなり、やっぱり待ち構えていた花奈。



それにアタシの時と同じ言い訳をする大毅と、呆れて見てる神ちゃんと流星、アタシ。



今日の講義は始まりが少し遅いから、学内のカフェで繰り広げられている光景だ。



大「今日はちゃんとやるからさ、今回のところは大目に見て頂いても…」

花「ったくしゃあないなぁ…。」

流「俺の彼女やけん言うけどさ、俺付き合うまでこんな世話焼きやと思ってなかったわ。(小声)」

『アタシも彼氏やから言うけどさ、付き合うまであんなうるさいで勉強嫌いとは思ってなかったわ。(小声)』

智「2人とも朝から元気やなぁ…」



早く集まった理由ってこれじゃないよな、と密かに思ってる3人。


花「で、シゲの成敗も終わったところで、神ちゃんの話を聞こうじゃないか！」




意外にも話を戻したのは花奈だった。



自然と全員の視線が神ちゃんに向く。



智「いや、さ、俺らもう3年やん。 来年はもう就活始まってまう。 せやけんさ……」

大「神ちゃん、友達なんやけ、緊張せんでええから。」

智「おん。ありがと。 で、本題なんやけど…」

花「うん。」

智「前近場の京都の1泊2日の短い旅行行ったやん？ でも今年の夏休みは、結構遠くまで行って、3日間ぐらいパーっとせん？」



大毅によると、話すのは得意なのに、いざ自分のことになると喋りれなくなるらしい神ちゃん。



頑張って言ったんやろな、耳が真っ赤になっとる。



でも、みんなで遠くか…



行ったことないし、案外良いかもしれない。



『ええんちゃう？ 思い出作り。 楽しそうやん。』

流「俺もそう思う。」

大「それ！ 幸い俺ら全員バイトやっとるやん？ お金もなんとかなるんちゃう？」

智「……ほんまに？ ええの？」

花「おん。ウチも賛成。 でもその前に…流星！シゲ！ アンタら地獄のテストに合格せな！」

大「げっ。」

流「俺をシゲと一緒にすんなや！ 俺は昨日ちゃんとやったで！」

大「嫌やわぁぁぁ…」

『ま、でも目標出来たやん。大毅、頑張ろーや。』

智「みんな…ほんまにありがとう！」

大「よっしゃー！ 勉強すんでー！ めざせ旅行！」

全「おーーーーー！」



『大毅テンション急に変わりすぎや。』

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