柳田と柳田、そして石川。

柳田と柳田、そして石川。20 ページ21

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男子最終予選、第２戦。対中国。

監督に何が策があったのか、その試合、関田がスタメンで起用されていた。それが良くも悪くも功を奏してか、ポンポンと流れが終始日本側に傾き、しかしそれでも試合は最終セットまでもつれ込んで、……勝利。勝ったのだ。

さすがのあたしも沸いた。素直に嬉しかった。関田にはあとでLINEでも送ってやろうと思う。今日の結果なら自信がついたに違いない。









〜♪







「…あ、ごめん。あたしだ」

「じゃあ先行ってるよー」

「ん、ごめん」









そんな、試合後。普段めったにかけてこない番号からの着信だった。







「……めずらし、」









独り言をつぶやいてしまうくらい、時刻も遅いし、今思えば、…おかしかった。









「はい、もしもし、」









でもその時は、男子バレー見てたんかな、とか、なんの違和感も感じなくて。久しぶりだな、なんてことしか、思わなくて。









「失礼ですが、柳田みゆきさんのご家族様でいらっしゃいますか？こちら○△□病院のものですが、」








パッと耳に当てたそれから聞こえた知らない声に、あたしは一体、どうしたんだろうか。









「先ほど事故に遭われまして、今緊急手術中です。今すぐ来る事は＿＿＿」









その質問にあたしは、しっかり答えたのだろうか。







頭は、真っ白だった。









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