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柳田と柳田、そして石川。14 ページ15











「A、」

「木村さん、どうしました?」

「……」

「……なんですかー、もう、怖い顔して」









Aの首元に光るのは、望悠のネックレス。……なにを、どんなふうに託されたのだろう。そんな小さな体で、なにを抱えたのだろう。






……私が、キャプテンなのに。
不調だ、なんて言ってる場合じゃ、ないのに。









「……遥には言ってあります」

「…?」

「辛くなったら、あたしが決めるからって」

「…でも、」

「木村さん、」









Aは私の言葉を遮って名前を呼んだ。



力強い、眼差しで見つめた。










「……野球でピッチャーがキャプテンって、聞いたことありますか?」

「……え?」

「あたしはあんまりないんですけど、」









……何の話だ?


頭にハテナを浮かべる私をよそに、Aはボールを手で弄びながら、話を続ける。









「だいたい、キャッチャーとか、センターとか、チームを客観的に見れる人が、キャプテンなんです。ピッチャーは、……エースは、そんなこと、できない。あ、まあできる人もいるとは思いますけど」

「……、」

「あたしも無理です。決めることで精一杯なんですもん」









ぽーん、とAの腕から上がったボールは、綺麗な色をくるくると変えながら、宙を舞う。









あぁ。強いなこの子は。





そう、何度思わされていることか。









「あたしは、全部決めます。遥からのトスでも、二段トスでも、なんでも。無理矢理にでも」









だから、




そう続けたAは、手で掴んだボールを、私に向ける。









「キャプテンはキャプテンの仕事をしてください。あたしは、エースの仕事をします」









観客が満席になったのか、またひとつ、ざわめきが大きくなった。









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みずき(プロフ) - 久しぶりに伺いました。ダラダラとは感じてないし楽しくて読ませていただいてます!!これからも更新楽しみに待ってます! (2017年1月10日 8時) (レス) id: ef18299a82 (このIDを非表示/違反報告)
美紗(プロフ) - 今一気読みして読み終わりました!まえださんのお話とても面白いです!これからも頑張ってください(^-^) (2016年12月12日 18時) (レス) id: be30bc9546 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - キャラクターは書いている内に勝手に動き出す!って言いますよね! 本当にまえださんの書く祐希くんは可愛くて男らしくて大好きです! まえださんの心のままにどうぞお体にお気を付けてゆっくり更新して下さいませ。ステキなお話ありがとうございます! (2016年12月12日 7時) (レス) id: 58f1eda3d9 (このIDを非表示/違反報告)
まえだ。(プロフ) - サラさん» 自分の石川祐希像が現れてしまっている……(笑)ここからどう恋模様に繋げようか、子犬が狼になる瞬間をどう描こうか模索中です( ̄▽ ̄) (2016年12月9日 4時) (レス) id: 0f6ce9faf2 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - まえださんの書く祐希くんはとても可愛くて素直で良い子でキュンキュンします! (2016年12月8日 6時) (レス) id: 58f1eda3d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まえだ。 x他1人 | 作成日時:2016年6月16日 15時

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