柳田と柳田、そして石川。12 ページ13
△
「……間抜け顔、笑」
「……びっくりした、もん」
まぁでも、もしも、だもんな、なんてAはブツブツ言っている。
……はぁ。まささんはともかく、祐希の好意に気がついてないなんて、本当に心配するくらい激ニブ。今日だって、どうせ「可愛い」とかなんとか言われたんだろうに。
「で？どうなの、実際」
「いや、どうって……」
Aとは、中学の時に知り合って。お互いまだ、＿＿＿＿少なくとも俺は＿＿バスケに夢中だった。その頃から、こいつの色恋の話なんて、聞いたことも、もちろん話してきたこともない。
「……でもやっぱり、」
「……好きとかそういうのってさ、時期関係あんのかな」
「……昌、」
「…別に、ないと思うよ。少なくとも、俺はそう思う」
Aはこういう時だけ、俺を
「俺は、Aに幸せになってほしいからね」
俺のAに対する感情は、『もう既に』恋愛感情ではなくなっている。かつてはそうだった。好きだった。大好きだった。
でも、それも叶わず、ここまで来たらもう腐れ縁。もはや親友のような、……いや、家族のようなものなのかもしれない。そこまで言ったら「キモイ」とかなんとか言われそうだけど。
「分かってるよ、」と小さく呟いたのを、俺は聞き逃さない。彼女も、意識してないわけではなかったようだった。
「でも、そんなの昌もだし」
「俺はAの次に見つけるからいーの」
「へー、……いいですねぇ人気者は」
「いやいや王子様には叶いませんよ〜」
「…ウザ……」
あ、ほら言われた。笑
ここまで真正面から言われると、逆に清々しい。
Aの妹ちゃんの家が見えるところに、車を止める。電気はついていた。
「……まぁ、その、」
「？なに、」
「…ちょっと、考えてみる」
おやすみとありがとうを言って去っていくAの後ろ姿を、家の中に入るまで見届ける。
……さて。
一体俺は、どっちのキューピットになれるのだろう、か。どっちにしろ、Aが幸せなら、なんでもいい。……ってなんだ俺、お父さん的ポジションじゃないか。
そんなことを考えながら、俺はまた、車のハンドルを握った。
△
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みずき(プロフ) - 久しぶりに伺いました。ダラダラとは感じてないし楽しくて読ませていただいてます！！これからも更新楽しみに待ってます！ (2017年1月10日 8時) (
レス) id: ef18299a82 (このIDを非表示/違反報告)
美紗(プロフ) - 今一気読みして読み終わりました！まえださんのお話とても面白いです！これからも頑張ってください(^-^) (2016年12月12日 18時) (レス) id: be30bc9546 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - キャラクターは書いている内に勝手に動き出す！って言いますよね！ 本当にまえださんの書く祐希くんは可愛くて男らしくて大好きです！ まえださんの心のままにどうぞお体にお気を付けてゆっくり更新して下さいませ。ステキなお話ありがとうございます！ (2016年12月12日 7時) (レス) id: 58f1eda3d9 (このIDを非表示/違反報告)
まえだ。(プロフ) - サラさん» 自分の石川祐希像が現れてしまっている……（笑）ここからどう恋模様に繋げようか、子犬が狼になる瞬間をどう描こうか模索中です(￣▽￣) (2016年12月9日 4時) (レス) id: 0f6ce9faf2 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - まえださんの書く祐希くんはとても可愛くて素直で良い子でキュンキュンします！ (2016年12月8日 6時) (レス) id: 58f1eda3d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まえだ。 x他1人 | 作成日時：2016年6月16日 15時
