柳田と柳田。24 ページ25
▽
「良かったじゃん。新バックアタック」
試合は終わったけど、なんだかまだウズウズが抜けなくて、無駄にボールに触ってると、背後から声がした。前々から思ってはいたが、彼の声は特徴的だと思う。ハスキー……まではいかないが、低くて、重くて。
「…バックアタックに新、ってつける人、初めてみました」
「永野さんがそう言ってたんだよ」
「……永野さんならよしとします」
新バックアタック、か。……まぁ、悪くはない。そう言ってるところを見ると、永野さんも驚いてた様子だな。よしよし。
「……俺も、負けてられないな」
「…今日はサーブ、走ってませんでしたね」
「あーやっぱりか、」
ぽーん、とサーブを打つ前のトスのようにボールを真上に上げる。
かくいうあたしも、あんまり走ってなかった。3セット目はピンサ器用だったから、尚更だ。
サーブは、トスに重要度が傾くとあたしは考えている。高く上げすぎたら手の位置が狂うし、低くあげると打ちづらい。適度な高さ、適度な回転が必要だ。
だからこそ、サービスエースは大きな意味を持つ。チームにとっても、……自分自身にとっても。
「……あ、そういえば、……って、」
2回目。ボールは落ちてこなかった。
くるくる、と彼の指の上で回っている。
「……付き合ってよ、サーブ練」
「…嫌、という選択肢は?」
「あると思う?」
……その顔。ファンの人が見たら叫ぶんだろうな。「かっこいいーー!!きゃーーー♡」って。あたしから見たら、ただむかつく、ってだけなんだけど、これだからイケメンって怖い。今の顔、写メとってTwitter上げたいわ。
「で、そういえばってなに?」
「え、あぁ、いや、石川くんのこと聞こうと思って」
「あー……出てなかったから気になる?」
「まぁ、……」
「……」
「……え、教えてくれないんですか!?」
「本人から聞く方が早い」
「えぇ……まぁ聞きますけど」
……ほらね。むかつくでしょ?
▽
528人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まえだ。(プロフ) - 成瀬▼さん» ありがとうございます(;▽;)頑張り、ます!!! (2016年11月28日 23時) (レス) id: 0f6ce9faf2 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬▼(プロフ) - まえだ。さん» わぁ!来た!って感じに声が出ちゃいました、笑 書いてたらそういう時もありますよ!、自分も書き手なのでその辺めっちゃわかります、笑笑 更新してください!笑 いくらでも待ってます( 'ω')/ (2016年11月28日 20時) (レス) id: 38f3ec8e87 (このIDを非表示/違反報告)
まえだ。(プロフ) - 成瀬▼さん» きゃーーーー!!なんたる嬉しいコメント(テンションが高い笑)……と共にお待たせさせ過ぎてしまったという罪悪感が今襲ってきております……更新します、しますよ!こんな作者なので(笑)、気長に待っていて下さると嬉しいです(;▽;) (2016年11月28日 20時) (レス) id: 0f6ce9faf2 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬▼(プロフ) - “「柳田と柳田。」が更新されました”っていう通知が来て思わずテンション上がりました、笑 お忙しいかも知れませんが更新するのを応援してます( ´ ▽ ` )ノ (2016年11月28日 20時) (レス) id: 38f3ec8e87 (このIDを非表示/違反報告)
まえだ。(プロフ) - iceAcinderellaさん» ありがとうございます(^ν^)続き、パスワード外しましたんで、まだ設定しかないんですけど(笑)、よろしくですです。 (2016年6月20日 1時) (レス) id: 4cf1416a93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まえだ。 x他1人 | 作成日時:2016年5月22日 18時