柳田と柳田。16 ページ17
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「……って感じ」
午後の練習が始まり、あたしはバックアタックの練習をすることに。早速迫田さんがとりあえず、と言って見本を見せてくれたが、間近で見る迫力はやはりケタ違いで。
力強くて、かっこいい。
「コツとかって、あるんですか?」
「あー、んまぁ、あるか」
ラインを踏まないことや、助走時の歩幅は広い方がいいこと、上というより前に飛ぶこと、くらいかなぁ、とまぁたくさん。
「でも一番大事なのは、やっぱりアタックラインを超えないことだね」
「なるほど」
「まぁ、始めはむずかしいかもしれないけど、」
「…あたしなら大丈夫、ですか」
「そう、そのとおり!笑」
よくわかってんじゃん、と言った後にまた、「Aなら大丈夫!」と。……ってこれ、何回言うんだろう迫田さんは。3回目くらいな気がするけど気のせいかな。
ここまで言われるとなんか、催眠術というか、洗脳される。てかされてる。
「ま、習うより慣れろ、だし、やってみる?」
「じゃあ、……はい」
うん。あたしは教えてもらうよりやってみる派だし、確かに習うより慣れろ、だ。迫田さんはセッターの遥となにやらトスの相談中。高さがどうとか、やっぱりあるんだろうな。
少しかかりそうなので、とりあえずジャンプだけしてみるか。えーと、確かこの辺から迫田さんは助走して……
「じゃあ、それでいきます」
「おっけ、んじゃそれで。Aー……って、」
大きく歩幅をとって、線を踏み越えずに、前に。
……飛ぶ。
それは。
いつもとは違う感覚だった。
いつも近いネットが、少し遠くて。よく、見える。向こうのコートって、こんなに広いんだ。
「……っと、……あ、終わりました?」
「……」
「迫田さん?」
着地がちょっとよろけるも、振り向くともう相談事は終わったようで。……いやあの、口が開いてますけど。
すると急に近づいてきて。
「っ!?え、な、」
「やっぱりA!!あんたすごい!!!」
「うわ、な、揺れ、る、」
ガシッと肩をつかまれ、ゆらゆら、というかガンガン揺らされる。脳が、脳みそが揺れる、……
「バックアタック、できるよ!!」
……なんだかよくわからないけど、迫田さんの満面の笑みを見たら、あたしもそう、思えてきた気がした。
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まえだ。(プロフ) - 成瀬▼さん» ありがとうございます(;▽;)頑張り、ます!!! (2016年11月28日 23時) (レス) id: 0f6ce9faf2 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬▼(プロフ) - まえだ。さん» わぁ!来た!って感じに声が出ちゃいました、笑 書いてたらそういう時もありますよ!、自分も書き手なのでその辺めっちゃわかります、笑笑 更新してください!笑 いくらでも待ってます( 'ω')/ (2016年11月28日 20時) (レス) id: 38f3ec8e87 (このIDを非表示/違反報告)
まえだ。(プロフ) - 成瀬▼さん» きゃーーーー!!なんたる嬉しいコメント(テンションが高い笑)……と共にお待たせさせ過ぎてしまったという罪悪感が今襲ってきております……更新します、しますよ!こんな作者なので(笑)、気長に待っていて下さると嬉しいです(;▽;) (2016年11月28日 20時) (レス) id: 0f6ce9faf2 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬▼(プロフ) - “「柳田と柳田。」が更新されました”っていう通知が来て思わずテンション上がりました、笑 お忙しいかも知れませんが更新するのを応援してます( ´ ▽ ` )ノ (2016年11月28日 20時) (レス) id: 38f3ec8e87 (このIDを非表示/違反報告)
まえだ。(プロフ) - iceAcinderellaさん» ありがとうございます(^ν^)続き、パスワード外しましたんで、まだ設定しかないんですけど(笑)、よろしくですです。 (2016年6月20日 1時) (レス) id: 4cf1416a93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まえだ。 x他1人 | 作成日時:2016年5月22日 18時