運命。vol.1

9 ページ10

葉月side

ん。朝か。

あれ、天井がちがう。

ん。初めてみるtシャツ。

ここどこ？！

起き上がろうとして、

「痛っ。」

脇腹に痛みが走る。

「起きた。」

え。部屋にはいってきたのは

登坂広臣？！

さらさら揺れるセットされてない長い前髪。

スエット姿。

どういう状況？

「昨日の、覚えてない？
刺されたんだよ。黒木さん」

あ。そうだ。刺されたんだ。

「昨日。居酒屋で嫌いな女とか色々いって悪かった。前言撤回。まじ。すごいと思った。」

そうだ。嫌いって言われてたんだ、

唖然としている私を

登坂さんが支えて上半身を起こさせてくれる。

「あの。すいません。ありがとうございました。」

「おう。」

よかった。今日仕事お休みで、

「登坂さん。今日お仕事じゃ。」

「午後から。」

「折角、半日オフなのに、すいません。」

「謝ってばっかじゃん、いいって。」

「病院いくでしょ。啓司さんに連絡するよ。」

「啓司には言わないでください、あいつに心配かけたくない。」

「じゃあ。俺がついてくよ。」

それはさすがに、

「い、いや。申し訳ないです。大丈夫ですから。」

「はあ。もういいよ。決まりね。」



「ねえ、黒木葉月さん。」

「、、フルネームですか。」

「いや。啓司さんと混ざる、」

「じゃあ。葉月でいいです。」

「臣でいい。」

って、臣なんて呼べるかーい！！



「シャワー使っていいよ。着替えならその紙袋の使って。」

「彼女さんの、？」

「別れた彼女ね笑
捨ててっていわれてたんだけど、めんどーで
捨ててなかったから。もらってくれるとありがたいんだよね。」

「え、はい。ありがとうございます、」

ほんとはめんどーで捨てなかったんじゃなくって、捨てれなかったんだ。

まあ。私には関係ないな、

だって。私には奥平さんしか見えてないから。


シャワーを浴びて、中を見ると。

お洒落な服ばかり、

下着まで綺麗。

さすが。登坂さんと付き合う女性だ。

ちょっとだけ、変な感じがした。

10→←8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す