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凍らせては砕いて、伸びてきた木を避けては走る。それの繰り返しです。私じゃあコイツはどうにも出来ませんから。
『そろそろ飽きてきました…潰れてもらいましょう』
走り続けた結果、いつの間にか区画内にある建造物の近くまで来ていました。辺りに気配を配ってみると呪力は三つ…
「(マズイ…狗巻先輩と伏黒くん、それともう一人居る。)」
建物の屋根から中庭のようなその場所を見下ろしました…あ、お取り込み中の邪魔してますね私。
「桜元!オマエ何で此処に!?」
「今説明してる暇はありません!!」
「何だ彼奴は!!」
お取り込み中を邪魔した私に驚いている伏黒くんと京都校の方、狗巻先輩は私の居る屋根とは逆の屋根の上にいます。
《逃げろ》
屋根から降りる私とそれに着いてくる木に状況を把握出来ていない二人ですが、狗巻先輩の呪言で走り出しました。
_________「何故高専に呪霊がいる?帳も誰のものだ?」
「コイツと組んでる呪詛師のものですよ」
「ゲホッ」
「狗巻先輩、大丈夫ですか?」
建物への入口を塞がれ、目の前に立つ呪霊。
「前に五条先生を襲った特級呪霊だと思います…風姿も報告と近い、あの人の絵でも分かるもんだな。」
「ツナマヨ」
右手を電話の形にして振る狗巻先輩は少し声が枯れはじめています…。
「そうですね、五条先生に連絡しましょう…」
「ちょっ…と待て、君たちは彼が何を言っているのか分かるのか?」
「分かりますよ」
「今はそんな事どうでもいいでしょ…相手は【領域】を使うかもしれません、距離をとって五条先生の所まで後退____」
四人でこの後の作戦を話しながら伏黒くんが電話をかけようとした瞬間でした
「二人とも!!」
《動くな》
呪言で相手の動きを止めてくれた狗巻先輩に感謝をしながら四方向に散った私達は特級呪霊を囲みます。
“赤血操術 苅祓い”
_____バシュウ
ズンッ___バチバチチッ_____
京都校の方の術式と伏黒くんの電流を帯びた“鵺”の体当たりからの伏黒くんの攻撃も特級呪霊にとっては蚊が止まった程度にしか感じていないみたいです。
格上が相手な上に頼みの綱である五条先生とも連絡がとれない…ココ最近で一番最悪です、どうしたらいいですか?・・・
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作者名:夜は眠れるかい x他1人 | 作成日時:2021年2月4日 23時