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拝啓【スーツさん】 ページ4

_____拝啓 お父さん、お母さん


お元気ですか?


今日の日本は休日です。
という事で、私もお出かけをしようと思いTシャツに黒いデニムのパンツで出かけました。


デパートを回って雑貨屋さんをウィンドウショッピングして…学校で使う文房具を買って帰ろうとした矢先にこんな事がありました…


_________________________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




「(今日も平和だったな。新しいノートも買えましたし、満足満足です。)」




大きめな紙袋と肩がけ鞄を下げて帰宅するために駅に向かって歩いている最中_____


駅近くの路地で脇腹を抑えている人を見つけました。近寄ってみるとその人は金髪にスーツを着崩しています。



.




「_____大丈夫…じゃないですね」




「…誰ですか?」



「通りがかりの高校生です。」



金髪にスーツの人、改めましてスーツさんの傷の容態を確認しようと近づきましたが、鋭い視線を頂きました。




「その傷、早く病院行った方がいいですよ…怪我を放置しておくのはよくありません。」



「ご心配ありがとうございます…ですが通りがかりの高校生に心配されるほどではありませんよ」




「いえ、ダメです私も以前怪我を放置して痛い思いをして以来怪我の恐怖を知りましたから。」




偶然買った包帯と止血用のガーゼを紙袋から出してスーツさんが傷を抑えている手を退かして持ち歩いているタオルで血を拭いた。



.




.





「……貴方、怪我の手当随分手馴れていますね。」




「お父さんの指導の賜物です…ハイ、ただの応急手当ですけど直ぐに病院に行ってください」




散らかした荷物をまとめて路地を出ようとしました。



「ありがとうございます…今度お礼がしたいので名前を伺ってもいいですか?私は''七海 建人''です」




「お礼なんて要りません。私はただ当たり前の事をしただけなので…あ、じゃあまた会う機会があればスタ〇で何か奢ってください。
名前は''桜元 A''です。それでは」

_________________________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

そんな事がありました。七海さんと別れた後は帰路に着きましたが…購入した止血用のガーゼを思いのほか消費していた事に帰ってから気付きました。



今日はお店が閉まっているので明日買いに行こうと思います。今日はとてもいい事をしました。次に七海さんに会うのがとても楽しみになりました。友達も増えた気がして最近嬉しいことが多くて楽しいです。



__________娘より

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作者名:夜は眠れるかい x他1人 | 作成日時:2021年2月4日 23時

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