妄想吐露〈ym×in〉

CARnival ページ38

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ym side


「ねー、暇だからライブDVDでもみない？」
「いいけど、どれみる？」


伊野尾ちゃんはテレビの横に置かれたDVDラックから2015年のDVDを持ってきた。あの車のやつね。


早速プレイヤーにいれて再生する


うわー懐かしい

あ、ここ伊野尾ちゃんと目があってテンション上がったな

にゃんにゃん言ってる伊野尾ちゃんかわいい…



思ってたよりも見入ってしまっていた
だって伊野尾ちゃんがかわいいんだもん！！！


「…りょーすけ、」
「ん？なに？」


伊野尾ちゃんに呼ばれてるけど、いま伊野尾ちゃんが抜かれてるからテレビから目が離せない


「はぁ、かわいいなぁ…」


さっき話しかけられてたのを思い出して、伊野尾ちゃんの方を向くと、明らかに機嫌が悪い俺の恋人


「なんで怒ってるの？」
「…別に？」
「言ってくれなきゃわかんないよ」
「…なんでもない。」
「けーい」


ずっと流れっぱなしになっていたDVDを止めて伊野尾ちゃんに向き合う


「…2015年の俺でも見てれば？まだ若くてかわいいって言われてた頃だよ」


まさか、2015年の自分に嫉妬してるの？
なにそれ、可愛すぎない？
ぷくっと頬を膨らましてそっぽを向いている伊野尾ちゃんの顔を無理矢理俺の方に向かせる


「妬いてるの？」
「別に妬いてないし」
「俺は昔の慧ももちろん好きだけど、今の慧が1番好きだよ」
「…あっそ」


また顔を逸らされてしまったけど、もう拗ねてはないみたい
だって真っ赤に染まった耳が見えてるから




いつの間にかまた再生されていたDVD

俺が伊野尾ちゃんに手を差し出してるところ


「懐かしいね」
「ね。この頃はこんな関係になるなんて思ってもみなかったな」
「そう？俺は絶対なると思ってたよ」





ずっと片想いしてた
何をしてでも手に入れようと思ってたから
…絶対伊野尾ちゃんには言わないけどね





不思議そうな顔をして俺を見ている可愛い恋人に甘い甘いキスをした









END.

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