妄想吐露〈ym×in〉

＊ ページ18

ym side






「りょお！今日もきたよ！」
「けい、ありがとう！…また傷増えてない？」
「あー…歩いてたらぶつけちゃったの」


またそんなわかりやすい嘘をつく


けいは俺のお客さん
随分前から来てくれている
でも最近、以前に増してすごく羽振りがよくなった
けいは、りょおへの愛があればなんでもできるといって理由は教えてくれないけど、実は知ってる


けいが、身売りを始めたこと


最初は、香水の匂いに違和感を覚えた
けいからはいつもほのかに石鹸の匂いがしていたのに、ある日を境に毎日違う香水の匂いがするようになった
本人は気づいてないみたいだったけど

それから数日たったある日、俺が昼間歩いてたら、けいらしき人が綺麗にスーツを着こなしたおじさんと歩いているのをみた
でも昼間だし、けいは建築関係の仕事をしているのを知っていたから、見間違いだろうと思っていた

俺が、けいの身売りに確信を持ったのは、珍しくけいがいつもの時間にこなかった日
俺から連絡してみたら、頬を真っ赤に腫らしたけいが来た
それをみた瞬間、今までのことが繋がって、けいが身売りしてることに気がついた


気がついた瞬間、おれは、いままでにないくらい満たされた気持ちになった


けいが、自分の身を犠牲にしてまで、俺に会いに来ようとしてくれるなんて…


それからもけいは傷をつけてくるようになった
その傷を見るたびに、けいが俺のために傷ついているのを可哀想に思う一方、けいの愛に満たされていく俺がいた


けいは、俺から心配されることで愛を感じているのだろう

俺は、けいの傷をみることで愛を感じている


けいも俺も、救いようがないほどに狂っている





けい、おれともっともっと堕ちていこう
俺たちが、お互いしか見えなくなるくらいまで




END.


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作者です

なんかよくわからなくなってぐだぐだになっちゃいました…。そしてすごく暗い…。もっとハッピーなものを書く予定だったんだけどな…。
読んでいただきありがとうございました！
不定期更新になりますが、よろしくお願いします！

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