責任者の仕事 〜2〜 ページ25
「良く見せて…」
ジェイドがAに近づき両肩を優しく触れる。
襟のあるシャツをしっかり上までボタンを留めてはいるが、首筋からアザが少し顔をのぞかせている。
もちろん足のアザも隠すため、今日はデニム姿だった。
「髪、おろしましょう」
そう言うと、ジェイドがAの髪を結んでいたゴムを外した。
そして肩の前側に髪を整える。
「僕のせいで、こんな苦労をかけてしまって…」
ジェイドは最後まで言う前にAにキスをした。
「僕の、おしおきです」
「うふふ…。私は二人だけの秘密みたいで、嬉しいですよ」
Aがジェイドの胸に顔を埋めた。
「そう思ってもらえて、僕も嬉しいです」
そのままAを優しく抱き寄せた。
「今日から、またモストロ・ラウンジのプリン作りが始まりますね」
「昨日しかお休みありませんでしたけどね…」
「僕も、今までお休みしていた分、これから忙しくなります」
「ジェイド先輩の体が心配です…」
「僕は大丈夫ですよ。Aさんこそ、商店街のプリン作りも販売もやらなくてはいけない事が増えるのですよ。大丈夫ですか?」
「ジェイド先輩が支えてくれるんでしょう?」
「もちろん。何があっても支えていきますよ」
「なら、大丈夫ですっ!」
「ふふふ。良いお返事です。お茶、冷めないうちに飲みましょう」
二人はお茶を飲み、食堂でほぼお昼と言う食事をした。
「おや、セナさんからです」
食事中、ジェイドのスマホが鳴った。
「ちょっと失礼しますね」
「はい」
ジェイドがスマホを持って食堂を出た。
Aがジェイドの後ろ姿を見つめる。
間もなくジェイドが戻って来た。
「お待たせしました。セナさんが今からこちらに来ます」
「何かあったんですか?」
「いえ。また彼から渡したいものがあるそうですよ」
ジェイドが微笑んだ。
「なんだろう?また写真ですかね?」
「恐らく」
「お疲れ様です、副寮長!よぅ、A!」
セナが元気良く食堂に入ってきた。
「セナさん、昨日はお疲れ様でした」
「お疲れ様、セナ君」
「隣、良いッスか?」
セナがジェイドの隣に座った。
「昨日、四人で撮った写真、持ってきたッスよ!みんなコックコート着てるし、優勝決まった後に撮った写真だから、また良い感じに写ってるんッスよ〜」
セナがジェイドとAに封筒を渡す。
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魅樹(プロフ) - 五月雨さん» 五月雨様 ありがとうございます。いつも読んで頂いてとても嬉しいです。コメントを糧に、これからも書き続けていきます。引き続き読んで頂けたら嬉しいです。 (2023年2月12日 22時) (レス) id: e979216df4 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨(プロフ) - うわぁ こんな展開になるなんて…ほんと涙出てきちゃいました。相変わらず素敵な作品ですねぇ〜これからも体調に気をつけて頑張ってください!あと、夢小説を荒らすやつにも気をつけてくださいね (2023年2月12日 21時) (レス) @page40 id: 5406dac44d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年2月8日 12時