心の変化 〜5〜 ページ8
「……はい…」
仰向けにされ、フロイドを見上げる。
「あのさ…。オレ、移植…、……受けるよ…」
今から激しくキスをされると思っていたが、フロイドは真剣な表情でAを義眼で見つめるだけだった。
「本当に…？」
「うん…。もう…、これ以上…Aを守れない生活に…耐えられねぇ…」
「気が変わったりしない？」
「うん。約束するよ…」
「本当？」
「うん」
「本当なら…、凄く…嬉しい…」
「上手くいかないかもしれねぇけど、まだ可能性があるうちに、やるよ」
「ありがとう…」
「何でAがありがとうってゆーんだよ」
「だって、今まで何度言っても聞いてくれなかったから…」
「……そっか…。今回は、マジだから…」
「はい…」
「明日、ジェイドにもちゃんと伝える」
「分かりました」
「だから、今から抱くよ？」
「シャワーしたいです」
「ダメ〜」
「帰れ〜っ」
「イヤだ〜っ」
「シャワーさせろ〜っ」
「抱いてから〜っ」
結局Aはフロイドに寮服を脱がされてしまった。
翌日、フロイドはAと一緒にジェイドへ移植の事を伝えた。
「心変わり、しませんね？」
「うん。Aとも約束したし」
「分かりました。すぐに病院へ連絡します」
「うん。よろしく」
「ジェイド先輩。ドナーって、すぐに見つかるものなんですか？」
「分かりません。ですが、登録をしない限り、順番は回ってきませんし、本人の同意がなければ移植自体出来ません」
「そうなんですね…。早く手続きして、移植出来ると良いんですけど…」
「ええ。両目を失って4ヶ月以上経ちますし、早く移植をしないと成功率がどんどん低くなってしまいます」
ジェイドはスマホを取り出し、その場で病院に電話をし始めた。
「なんか、難しい話してますね…」
「うん。ジェイドに任せておけば大丈夫だよ」
「はい」
ジェイドは机に座り、どんどんメモを取っていく。
電話は10分以上かかった。
「フロイド。今から病院へ行って手続きしますよ」
「今からぁ？」
「ええ。一日でも早い方が良いそうですから。準備してください」
「分かったよ…」
「Aさんも一緒に行きましょう」
「はい」
ジェイドはアズールにも連絡をする。
「アズールが学園長へ報告してくれる事になりました。こちらの事はアズールにお任せしておきましょう」
3人は鏡の間へ行き、病院へ行った。
それからとんとん拍子に事が運んでいく。
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年6月6日 21時
