フロイドの計画 〜8〜 ページ36
『A観てる？たぶん職場にテレビ局から電話が行ってる頃だと思うけど、対応しなくて良いからね。オレが全部答えるから。Aには何も迷惑かけないようにするから。記者会見でこの事を発表するって言わなかった事だけはごめんね。許して…。と、ゆーワケでぇ、Aの職場に連絡取るの、禁止ね。顔出しもダメ〜っ』
「フロイド君…」
思わず声を漏らしてしまった。
「Aちゃん、座って観よう」
「ありがとうございます…」
先輩がAを食堂の席に移動させてくれた。
「フロイドさん、本当にAちゃんを守ろうとしてくれてるんだね。羨ましいなぁ…」
「そうですかね…」
「こんな良い人、なかなかいないんじゃない？」
「はい…」
『リーチ選手はパルクールの実力だけでなく、ファッションセンスやその容姿からも非常にファンが多いですが、今回の結婚発表でファンの方たちがどの様に感じると思いますか？』
『それってさぁ、結婚発表したからファンがショック受けてオレのファンが減るって言いたいんでしょ？』
『えっ？あ…、いや…』
『いーよ〜。答えるよ。オレがこんなに人気になれたのは、本当にファンの人たちが応援してくれて、オレのプロデュースした物とかも喜んで買ってくれてるからってゆーのはマジで分かってるし、マジでありがたいし、マジで嬉しいよ。だから、応援されたらそれに全力で応える。オレは今までそうして来たよ。ファンの人たちがいなかったら今のオレは無かったってゆーのも分かってるよ。だから結婚も隠したり誤魔化したりしないで発表したの。それでファンの人たちがガッカリしてオレから離れていくならそれは仕方ないよ。だってファンってそーゆーもんでしょ？オレは商品みたいなもんだから、飽きられたり幻滅されたら売れなくなる。別に芸能人じゃないからパルクールの質が落ちたワケじゃないと思ってるけど、結婚したことで人気価値が下がるなら仕方ないって受け入れるよ。ただ、パルクールはこれからも続けてくし、もっと上を目指してく。それがオレの答え』
「カッコイイ…。やっぱフロイド様が結婚しても、私も応援するっ！ここまでハッキリ言われたら逆にカッコ良すぎでしょっ！」
一人のスタッフが感動していた。
『では、これからもファンは離れて行かないと？』
『はぁ？オレの話ちゃんと聞いてた？オレが結婚してファンが離れちゃったら仕方ないっつってんだろ…。ファンに媚び売ってどーすんだよ』
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年6月6日 21時
