5年経った2人 〜5〜 ページ28
「ふーん」
フロイドがまたキスをした。
「有名人の彼女も大変なんだよ？」
「はいはい…」
そう言いながらフロイドがAのブラウスの胸元のボタンを外し始めた。
「フロイド君っ！ジェイド先輩いるんだよっ」
「別にいーじゃん。ジェイドだってごゆっくりって言ってたし」
「そう言う意味で言ったんじゃないってばっ」
「『僕は構いませんよ。今更過ぎて何も感じませんから』ってゆーぜ？」
「私が嫌っ！ジェイド先輩でも誰であっても、こんな所見られたくないの…」
Aがフロイドの胸を押し離した。
「夜まで待てねぇ…」
「ダメっ！」
「オレがプロデュースしたベッドで、早くAを抱きたいのぉ〜」
「もうちょっと待ってよっ…」
「じゃ、ジェイド帰らせよ〜」
「酷いっ！」
「おやおや。今更過ぎて何も感じませんが、お邪魔してしまいましたねぇ。お茶が入ったので呼びに来たのですが、タイミング悪すぎました？」
「ジェイド先輩っ…」
Aが急いで開けたブラウスを胸元で掴む。
「勝手に入って来んなよ〜」
「それは人聞きの悪い事を言いますね。ドア、全開でしたよ？」
「そうだった〜？じゃ、閉め忘れちゃったんだねぇ〜」
「せっかくですから熱いうちにお茶飲みませんか？リビングでお待ちしていますね」
「今行きますっ」
Aがベッドから起き上がる。
「フロイド君、リビング行こう」
「分かったよぉ…」
その後、３人でティータイムを過ごし、ジェイドが帰る時間になった。
「フロイド。世界大会、頑張ってくださいね」
「うん」
「モストロ・ラウンジにも、フロイドのファンだと言う方が結構お見えになるんです。フロイドの兄と言うだけで僕に握手を求めてきたり、写真をせがまれる事もあるんですよ」
「ふーん」
「『義眼のトレーサー、フロイド・リーチ』と呼ばれているフロイドに対して、僕は『眼帯のバトラー、ジェイド・リーチ』と、いつの間にか店で呼ばれる様になってしまいましたよ。バトラーでも何でも無いし、ただの雇われ責任者だと言うのに。ふふふ」
「バトラーって…。だいぶ違いますね…」
「ですが、フロイドのお陰で店も売り上げが伸びています。フロイドの双子の兄として、メディアにも取り上げられてしまうこともしばしばですしね」
「アズール大喜びだろ？」
「そりゃぁ、もちろん。今日だって、本当は新居に行きたいと言っていたのですが、忙しすぎて叶いませんでした」
「ふーん」
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年6月6日 21時
