新しい目 〜2〜 ページ11
アズールが電話に出る。
「はい。……お疲れ様でした。フロイドは？……」
耳を澄ませ、ジェイドの声も聞き取る。
それに気付いたアズールが気を利かせた。
「ジェイド。少し待ってください。今Aさんも一緒です。スピーカーにしますので…」
アズールが音声のスピーカーをオンにした。
「Aさん？」
「ジェイド先輩っ」
「少し時間が掛かってしまいましたが、手術は無事に終わりました」
「良かった…」
「今アズールにもお伝えしましたが、フロイドはまだ麻酔から目覚めていません」
「そうですか…」
「ジェイド。フロイドの目は、いつ頃開けることが出来るのですか？」
「術後の経過は個人差があるようでが、3日後くらいになるとの事です」
「分かりました。ジェイドはそのまま病院で付き添うのですか？」
「ええ。お二人に逐一状況報告もしたいですし、何よりフロイドが心配ですから」
「分かりました」
「ジェイド先輩。フロイド先輩、どのくらいで麻酔から覚めるんですか？」
「１、２時間程でしょうか…。目覚めたらまた連絡しますね」
「お願いしますっ」
ジェイドとの電話を終える。
手術は無事に終わった。
後はフロイドの目が、ちゃんと見えるかどうかだ。
それはまだ分からない。
「アズール先輩。ジェイド先輩から連絡来るまで、ここにいさせてもらっても良いですか？」
「ええ。良いですよ。では、今のうちに、夕食でも取りますか？」
「はいっ」
「ふふ。元気なお返事ですねぇ」
「まずは手術が無事に終わって、ホッとしちゃいました…。まだ目が見えるようになるか分かりませんけど…」
「そうですね。さ、食堂へ行きましょう」
夕食を取り、食堂からアズールの部屋に戻る途中、再びジェイドからアズールに着信が来た。
アズールは歩きながら応答した。
「はい。……そうですか。……ええ」
アズールとAは早歩きでアズールの部屋へ向かった。
部屋に入り、アズールがすぐにスピーカーをオンにした。
「ジェイド先輩っ。フロイド先輩、目覚めたんですか？」
「ええ。今はまだボーッとしています。吐き気もあり、頭痛もしているようで、かなり機嫌が悪い状態です」
「それはツラいですね…」
「きっと明日になれば、もっと回復するでしょう。そうすれば、機嫌も良くなると思いますよ」
「はい…」
「大丈夫。フロイドは強いです。Aさんの為にも頑張れるはずです」
「そうだと良いな…」
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年6月6日 21時
