オクタヴィネル寮生活 〜1〜 ページ1
「と、ゆーワケでぇ〜、よろしくね〜、クリス〜」
「任せてーっ！ボクは恋愛の神様だよぉーっ。フロイドとAが幸せになれるならぁ、喜んでフロイドをAの部屋に運ぶよぉーっ」
「おやおや。それは羨ましいですね。僕もその幸せにあやかりたいですよ」
ジェイドがニコニコしながらフロイドを見た。
「ジェイドが恋に落ちたらぁ、その時もボクがいっぱい手伝ってあげるからねー」
「ふふふ。そんな日が来るとは思えませんが、楽しみにしていますね」
「クリス。フロイド先輩を夜こっそり運んだら、朝もこっそりこの部屋に戻ってもらわなくちゃいけないんですよ？そんなに暇なんですか？」
「Aーっ！暇なんじゃないのっ。ボクはフロイドとAの為に時間を優先してるんだよっ！」
「じゃぁ、フロイド先輩がお願いしたら、いつでも運んでくれるんですか？」
「うん。いーよー」
「お礼はジェイド先輩の淹れてくれる紅茶？」
「ふふふ。僕には全く関係の無い事なのに、クリスにお礼のお茶を淹れ続けると言う訳ですね？」
「よろしくねぇ〜、ジェイド〜」
「なんだかムカつきますが、良いでしょう。どうせ、クリスにお茶を淹れるのは、いつもついでですしね」
「それはそれで酷い言い方ですね…」
Aが苦笑いした。
「じゃ、また今夜クリス呼ぶから、ちゃんと来いよ〜」
「オッケーっ！」
久しぶりの4人でのティータイムは楽しく過ぎて行った。
夜。
Aが部屋のシャワールームから出て来ると、ベッドにフロイドが座っていた。
「フロイド先輩っ」
「A〜。待ってたよぉ〜」
フロイドがAの声がする方を向いて微笑んだ。
「クリスは？」
「すぐに帰らせたよ」
「神様を顎で使ってる…」
「オレの両目をあげたんだから、そのくらい当たり前だよ〜」
「それは契約じゃないですか…」
「いーのいーの。早くおいで」
Aの立っている位置から少しズレた方向にフロイドは両手を広げた。
これは何度見ても切なくなる。
「はい…」
Aがフロイドの両腕の中に入って抱きついた。
フロイドも抱きしめながらAの服を触る。
「ネグリジェ？」
「正解です。先週、フロイド先輩が選んでくれたでしょ？それと、ブラジャーは…」
「ちょっと待って〜。何色か当てるから」
フロイドがネグリジェの胸元から手を入れる。
そしてブラジャーの刺繍の柄を触る。
「水色でしょ」
「凄いっ。正解ですよ」
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年6月6日 21時
