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切なすぎる夜 〜2〜 ページ47

〜3人もっ!?〜

一人はフロイドのすぐ側に立っている。
フロイドはすぐ側にいる男を掴もうとした。

「ムリムリー。目が見えないのに俺たちの事、捕まえられると思ってんの?」

「クソっ!Aを離せっ!」

「イヤだねー」

「んんんっー!」

Aの声が段々遠くなる。
赤い糸も恐らく談話室から出て行ってしまった。

「Aっ!」

もう一度空間認識魔法を使う。

既にAは2人の男に抱えられ、階段を登っていた。

フロイドは構わず走り出す。

「お前の相手は俺だよっ!」

フロイドが後ろから男に羽交い絞めにされた。

「ふざけんなっ!離せっ!Aに触ったらぶっ殺すぞっ!」

「生意気な事言ってんじゃねぇよ。俺たちがお前にやられた事、今日は思う存分やり返してやるよ…」

以前、フロイドが絞めた生徒たちだろう。

「最低な事しやがってっ。Aは関係ねぇだろっ!」

「お前だけいつも良い思いしてんだろ?俺たちだって、少しくらいおこぼれ頂戴してもいいだろー?」

「ぶっ殺すっ!」

しかし、フロイドは男に足払いをされ、床に倒れ込んだ。

「くっ…!」

更に男はフロイドの頭を足で踏み付けた。

「めちゃくちゃ気分良いなぁー!はははーっ!」

「クソっ……」

目が見えていたらこんな事にはならなかった。

フロイドに怒りが一気に込み上げてきた。

「ふざけんなーっ!」

気合で立ち上がり、男を手当たり次第掴む。
しかし、やはり上手く行かない。

「だっせぇなーっ。オラッ!」

男がフロイドのみぞおちを思い切り殴った。
突然の衝撃に、フロイドは気が遠くなっていく。

「うっ……」

膝を付き、床に倒れ込む。

〜クリ…ス…〜

意識が無くなる直前、フロイドはクリスの名前を心で叫んだ。







「フロイドっ!フロイドっ!」

頬を何度も叩かれ、気が付いた。
 
「ジェイド…か…?」

「大丈夫ですかっ?」

「……うん…。Aはっ?Aが、誰かに連れ去られたっ…」

起き上がろうとすると、腹部に痛みが走った。

「Aさんは無事ですよ。体は傷つけられていません」

「そっか…。良かった…」

「それと、クリスのお陰で3人のサバナクロー寮生を拘束することが出来ました。フロイドがクリスを呼んだのでしょう?」

「…来てくれたんだ…」

「もーっ!何でもっと早く呼ばなかったのー!Aが危なく服脱がされる所だったんだからねっ」

「クリス…。ありがと…。助かったよ」

「とりあえず、3人には眠ってもらってるよー」

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年6月2日 17時

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