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フロイド 復活 〜4〜 ページ20

「ひよこも正解だし、顔を描いたのも正解ですよ。いくつかのクッキーに竹串で顔を描いてみたんです」

「カワイイねぇ〜。でも食べちゃお〜」

「良く分かりましたね」

「うん。指先が何となく目の代わりになってるみたいだよ〜」

「なるほど…」

「ねぇ。カフェオレ飲もうよ〜」

「そうですね。紅茶も飲み終わっちゃったし」

「じゃ、オレが作るね〜」

「えっ?お湯また沸かさないと無いですよ?」

「うん。オレがやる」

フロイドがソファーから立ち上がり手探りで談話室のドアを探す。

「白杖は?」

「いらなーい」

「大丈夫ですか?」

「うん」

時間はかかるが、フロイドは確実に談話室のドアに向かって行く。
そしてドアノブを探し、ドアを開ける。
Aはその後ろを少し離れて付いていく。

壁伝いに歩き、キッチンの入口に辿り着いた。

「キッチンの配置、変えてないでしょ?」

「はい。道具も何も変えてません」

「おっけー。Aはそこの椅子に座って待っててよ」

「分かりました」

たまに作業台や物に足をぶつけながら、フロイドはやかんに水を入れ、コンロに置いた。
そして火をつける。

「マジでヤバいとこがあった時は教えてくれる?」

「はい。今のところ、完璧です。コンロとやかんの位置もバッチリですよ」

「目が見えなくてもお湯くらい沸かせるってぇ〜」

「お湯が沸いた後が危ないじゃないですか。持ち手部分から手がズレたら火傷するでしょ?」

「ミトンすりゃいーでしょ〜」

「大丈夫かな…」

フロイドが棚からマグカップを出そうとする。
手探りで扉を見つけ、開ける。

カチャン…

手がマグカップにぶつかり、隣のマグカップと当たる音がする。

「割れてないよね〜…」

「はい…」

Aは心配でたまらない。
Aがやっていればそろそろカフェオレが完成するくらいの時間が経っている。

マグカップを作業台に置く。

「冷蔵庫は〜…」

フロイドが慎重に移動する。
火が付いているコンロの前を通らなければならない。
肌で熱を感じ取り、コンロ付近は少し離れて通った。

「牛乳、入ってるよね?」

「はい。扉を開けた一番右側にありますよ」

「サンキュー」

フロイドは慎重に作業を進めているので時間の経過の感覚は気にしていないようだった。
しかし、実際は30分以上かかってカフェオレを完成させた。


「どお?」

「美味しいですっ」

「また飲みたくなったらオレが作ってあげるから言ってね〜」

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年6月2日 17時

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