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絶縁の神様 〜4〜 ページ4

「んん…」

Aの声がした。
フロイドもクリスも黙る。
フロイドがAを見た。

「Aが起きたら面倒だから、ボクはこれで帰るねー」

クリスは風のように消えた。



「はぁ…」

フロイドはため息をつき、またベッドへ入った。

「A…」

Aを優しく抱きしめる。

「ん…。なに…?」

「起こしちゃった?」

「…ううん…。抱っこ…してて…」

「うん…」

「フロイド先輩…身体…冷えてますよ…?」

目を閉じながらAが呟いた。

「うん。トイレ行ってた」

「…裸のまま…?」

「うん。またAと裸のままで抱き合いたかったから」

「私が…温めてあげるね…」

「ありがと…」

「今…何時?」

「3時過ぎ…」

「そっか…」

それから間もなくAの寝息が聞こえてきた。

「起こしちゃってごめんね…」

フロイドがAのおでこにキスをして目を閉じた。




ついさっき眠りについたと思ったら、アラームが鳴った。

「うぅ……ん…。…もうちょっと…寝たいな…」

Aが目覚まし時計のアラームを止めてまた寝る。

「寝てていーよ。オレ勝手にいい匂いタイムするから…」

「フロイド先輩…おはようございます…」

「うん。おはよ…」

「いい匂いタイムしててください…。私、あと30分寝たい…」

「うん」

フロイドは眠いのに眠れない。
色々と考え過ぎていた。

ステラがこれからどんなことをしてフロイドたちの邪魔をしてくるのか。
Aが元の世界に帰ってしまう結末だけは絶対に阻止しなければならない。

その中でAの毒が弱くなってきてしまったら、フロイドの身体を代償にして完璧な毒を授かる。

Aを守り切れるだろうか。

〜ふざけんじゃねぇよ…〜

いい匂いタイムが台無しになってしまうので、フロイドは考えるのをやめた。





昼間。

フロイドは授業中、何度も睡魔に襲われた。
それでもAが心配だった。
一瞬でも一人になったタイミングで、またステラが何か仕掛けてくるかもしれない。
しかしAの側から片時も離れないというのは現実的に無理だ。

この日の授業は何一つ頭に入って来なかった。



放課後。

フロイドがAの教室に迎えに来た。

「小エビちゃん。お待たせぇ。グッピーちゃんとちゃんと待ってた?」

「はいっ。今日はずっとエペルと一緒にいましたよ」

「うん。なるべく一人にならないでね。じゃ、部活行こ」

フロイドはAを連れて体育館へ行った。

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年5月1日 15時

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