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人魚のフロイド 〜5〜 ページ29

「フロイド先輩は?」

「オレも少しならあがれるよ」

フロイドも砂浜に器用にあがってきた。

「本当に長いですね…」

「うん。これでムカつくヤツをギュッと絞めるんだよぉ」

「怖いですよ…」

「そお?面白いよ〜。ジェイドと良くやってるしぃ」

「なんか…想像出来ます…」

Aは、あははっ。ふふふ。と笑いながらフロイドとジェイドが絞める姿を簡単に想像出来た。



太陽の光でフロイドの鱗がキラキラと輝いている。

「鱗、キラキラしてるんですね」

「うん。乾きすぎるとポロポロ落ちちゃうけどね」

「まだ海に入らなくて大丈夫?」

「うん。でも今日は日差しが強いからすぐに乾燥しちゃうねぇ〜…」

「苦しくないの?」

「ちょっと苦しいよ」

「じゃぁ、もう海に入った方が良いんじゃないですか?」

「じゃぁ、半分入ろっかな〜」

フロイドは砂浜を寝転がるようにして腰から下を海に入れた。

「これならしばらく大丈夫だよ」

「エラ呼吸じゃないんですか?」

「基本的にはエラ呼吸だけど、少しだけなら肺呼吸も出来るよ」

「凄いですねっ」

「まぁね」

フロイドが尾びれを水面に叩きつけた。

バシャンッ…

「うわっ!」

Aの方まで水しぶきが飛んで来た。

「気持ち良いでしょ?」

フロイドがもう一度叩きつける。

バシャンバシャンッ…

「雨みたいっ!それに、フロイド先輩の叩きつける力、凄い強いですね」

「ウツボは絞める力が強いからねぇ〜」

二人はしばらく砂浜で休憩しながら遊んだ。




そしてまた海岸に戻る。

「凄く楽しかったし、貴重な体験が出来ました!ありがとう、フロイド先輩」

「オレの人魚姿もカッコ良かったでしょ?」

「はいっ。あの、どうやって人間に変身するんですか?」

「変身薬があるの。もう人間に戻っていーなら、オレ、変身薬飲むけど」

「うーんっ…。もうちょっとだけ!あとちょっと人魚のフロイド先輩見ていたいですっ」

「はいはい…」

フロイドは浅瀬を泳ぎ始めた。

「どう?見える?」

「はいっ!良い眺めですっ」

「今夜のいい匂いタイム、一時間ね〜」

「えっ?」

「だってぇ、これだけサービスしてんだから〜」

「分かりましたよ…」

「あとオレの毒も入れるよ〜」

「……はいっ…。お願いします…」

「今ここで毒、入れる?」

「そっ…それはっ…」

「あははっ!冗談だよぉ〜っ」

「もう…」

「カワイイねぇ〜。今夜い〜っぱい抱っこしてあげるね〜」

束の間の幸せ 〜1〜→←人魚のフロイド 〜4〜



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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年5月1日 15時

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