絶縁の神様 〜3〜 ページ3
「これはオレの性格なんだから直しようがねぇんだよ…。で、ステラはどうやって毒を弱体化させたんだ?」
「本人に接触しないとムリだよ。ボクがさっきおでこに触れたみたいにね」
「はぁ?Aはオレとずっと一緒にいたよ」
「ほんの少しの時間も離れなかった?」
「……シャワーとか、トイレとか。そう言うのは仕方ないじゃん…」
フロイドが思い返す。
「クリス。ステラが接触する時間って、結構長く必要?」
「ううん。ほんの少しで大丈夫だよ。この前みたいにボクがAの記憶から消えるようにするのも出来るしね」
あの時だ。
コーヒーを淹れにキッチンにA一人で行ったほんの少しの時間。
「心当たりがある…」
その時からAが異常にフロイドを求めて来た。
「ステラの事だから、Aに自分の記憶は持たせてないと思うよ」
「うん。オレを求めて来るくらいで、それ以外は特に変わった様子無かったし」
「ステラを止めることはボクには出来ないよ。姉弟であっても、神様同士の干渉は出来ないから。だから、こうやって間接的にフロイドの所にボクがわざわざ来てあげたんだよ。ボクはキミたちを応援してるからさー」
「どーすりゃいーんだよ…」
「これからステラがしてくる事に、一つずつ地道に対処していくしかないねー」
「ふざけんなっ…」
「ボクはキミと契約も交わすし、恋の神様としての仕事を全うするよ。ま、ステラも絶縁の神様の仕事を全うしてるだけなんだけどねー」
「矛盾してんじゃん…。どっちかの神様の仕事が必ず潰されるんだろ?」
「神様に願いを込めて、全部その通りになる?ならないでしょ?」
「チッ…。都合良く作りやがって…。けどさ。ステラはアイツ本人がオレを気に入っただけで、誰かがオレとAを別れさせようと願いを込めたワケじゃねぇんだろ?」
「うん。神様が自分の意思で動く事もあるからねー。ボクだって、キミを気に入ったから、鱗ももらって、お礼に毒を長持ちさせた。これはボクの意思だよ。それに、人前に神様が直々にお目見えする事なんて、そんなに無いんだよー」
「じゃぁ、異世界から来た人間をこの世界に留まらせたいと思っても、クリスが現れてくれないって事もあるのか?」
「うーん…。分かんない。ボクが把握してなければ、気付かずに放置しちゃってるかもしれないけど、今のところは毒に気づいた人にはパーフェクトで契約の話は持ちかけてあげてると思うけどなー。ま、ほとんど断られてきたけど」
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年5月1日 15時