初めてのデート 〜5〜 ページ44
「へぇ。ブタもあるじゃん」
「本当だぁ。あ、クマもあるし、ひよこもあるーっ」
「小エビちゃんはこーゆーのが好きなの？」
「はいっ」
うさぎやクマ等の形をした目覚まし時計は、どれも腹部がデジタル時計になっているデザインだった。
「フロイド先輩はこの動物シリーズだったら、どれが良いですか？」
「ブタ。なんかウケるしぃ」
「うーん…。そっかぁ…」
「この中から決めるの？」
「はいっ。一目惚れですっ」
「まあ、こんだけある中から全部見てくの大変だしぃ、小エビちゃんが一目惚れなら、いーかもねぇ」
「ブタ…、うさぎ…、ひよこ…」
「ブタに決まりぃ〜」
「うさぎも捨て難いです〜…」
「オレは断然ブタ〜」
「じゃぁ、フロイド先輩の部屋にブタで、私の部屋にうさぎかひよこ。どうですか？」
「オレも買うの？スマホで充分だよ〜…」
「デザイン違いのお揃い時計っ！良いじゃないですか？」
「…しょうがねぇなぁ…」
「決まりですっ！」
「小エビちゃんはうさぎがいーんじゃね？」
「そうですか？」
「うん。ブタとうさぎ。決まりぃ〜」
「分かりましたっ！」
目覚まし時計は、あっという間に決まった。
時計屋を出て、また二人は街中を手を繋いで歩く。
フロイドの手を繋いでいない方の手には、たくさんの紙袋がぶら下がっている。
「明日の朝、楽しみですね！」
「あのさぁ。オレの部屋と小エビちゃんの部屋に置くんでしょ？今夜は別々に寝るの？」
「え…。あ…。そっか…」
「夜のいい匂いタイムはー？オレ、ベッドの中じゃないとイヤなんだけどぉ？」
「今夜も、一緒に寝てくれるんですか？」
「せっかくベッドもデカくしたんだしさぁ。別に毎晩じゃなくてもいーけど、今夜は絶対にベッドの中でいい匂いタイムがいーの！」
「私は…、嬉しいですけど…」
「じゃ、そうしよっ」
「そしたら、起きる時間と、いい匂いタイムの終わり時間を設定すれば、2つとも目覚ましセット出来ますね」
「おっけー。小エビちゃんが6時でぇ、オレが6時半ね」
「うふふ。楽しみ！」
「帰ったら、ベッドに2つ、並べてみよっ？」
「はいっ！……あの…、フロイド先輩、あともう一ヶ所…寄りたい所があるんですけど…」
「うん。いーよ。どこ行きたいの？」
「えっと…。あの…、ランジェリーが売ってるお店…」
「ランジェリー…？」
「下着屋さんです…」
「……オレも行くの？」
「はい…。選んでくれませんか…？ブラジャーとか…」
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年4月23日 16時
