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初めてのデート 〜3〜 ページ42

オムライス屋の店内もかなりの客で賑わっていた。
店員に席に案内され、二人はメニューに目を通す。

「ここさ、プレーンのケチャップだけのオムライスも美味いんだけどぉ、オレ、デミグラスソースのオムライスが好きなんだぁ」

「ソースの種類たくさんあって悩んじゃいますね」

「小エビちゃんさぁ、オレはデミグラスソースにするから、違うの頼んでシェアしない?」

「はいっ!そうしましょう!じゃぁ…私は…ホワイトソースとかどうでしょう?三種のチーズ入りだし」

「いーじゃ〜んっ。じゃ、決まりぃ〜」

フロイドが店員を呼び注文する。

「フロイド先輩、今のうちにトイレ、行ってきますね」

「はいはーい」

Aがトイレに立つ。

そして間もなくして、フロイドは声を掛けられた。

「やあ、フロイド。昨日の夜ぶりだねー」

声のする方を振り返った。

「クリスっ…」

フロイドは特に驚く様子もなく、しかし眉根を寄せてクリスを睨んだ。

「いやぁ、偶然だねー。ボクたちも、オムライスと言うものに興味があってねー。初めて人間の店に入ってみたんだよ」

本当に偶然にもクリスたちが案内された席はフロイドたちの隣だった。

「別の席に行けよ…」

「冷たいなぁ…。あれ?Aは?」

「気安く名前で呼ぶんじゃねぇよっ…」

「ははっ。二人の邪魔はしないさ。ほら、ボクもデートだしねー」

クリスの向かいに座ったのは、やはり透明感抜群で神々しいほど美しい女性だった。

「どーせ神様なんだろ?」

「良く分かったねー!こちらはステラルーヴィラティーナチルエ」

「だから…、名前長すぎだろ…」

「初めまして、フロイド。ステラって呼んでくださる?」

「はいはい…」

「ははっ。ステラもフロイドが気に入ったんだねー」

「ふざけんなよ…。クリス。お前は恋に興味ねぇっつってたよなぁ?」

「うん。無いよ。デートって言っても、ボクのお姉様だからねー」

「お姉様?」

「うふ。そう。私はクリスの姉なのよ。クリスが人間の食べるオムライスに興味を持ったから、私も是非、食べてみたくなって、今日は姉弟でデートしてるの」

「ふーん。もう話し掛けてくんなっ」

「あら…。フロイドの機嫌、損ねるような事、したかしら。ねえ、クリス?」

「いいえ。ステラは何も悪い事はしてないよー。フロイドは気分屋らしいからねー」

「そうだったのねぇ。うふっ。そういう子、私、大好き…」

「勝手に言ってろよ…」

フロイドはスマホをイジり始めた。

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月23日 16時

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