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あの人物 〜2〜 ページ33

「完璧な毒、欲しいんでしょ?」

「あ…当たり前だろっ…」

「タダじゃあげないよ?」

「知ってるっ…」

「へぇー。それなりに調べたんだねー」

「契約…はっ…?」

「まだしないよー。もう少し、二人の事、見てたいから」

「ふざけんなっ…」

「大丈夫だよー。その時が来たら、契約はしてあげるからさ。ボクはね、約束はちゃんと守るよ。それがボクのポリシーだからねー」

「何が…ポリシーだっ…」

「本当に威勢が良いねー。ますますキミの事、気に入っちゃったじゃないかー…」

そう言うと男がフロイドの唇にキスをしてきた。

「っ!…何っ…すんだよっ…」

「舌は入れてあげないよー」

「…気持ちわりいっ…」

「そう?完璧な毒をあげる時はもっともーっと濃厚なキスしないとダメなのになぁ…。その練習だよー」

「…うぐっ……」

「あらら…。もう限界?つまんないなぁ…」

男が更にフロイドの髪を掴み上げる。
フロイドが苦痛な表情を浮かべる。

「本当に綺麗な瞳だねー。ずっと見てられるよ…。…オッドアイ…。好きだなぁ…」

「悪趣味…野郎がっ…」

「イヤだなぁ。ボクにもキミたちと同じように、ちゃんと名前あるんだよー」

「興味ねぇよ…」

「ツレナイなぁ…。ボクね、クリストファーカメリアガストオーウェンラドリー。って言う名前なんだー。よろしくねー」

「長すぎ…だろっ…」

「ははっ。良く言われるー!だからさ、クリスって呼んでね!フロイド」

「何で…オレの名前…知ってる…」

「さっきAが叫ぼうとしてたから」

「Aに…、何をしたっ…」

「叫ぼうとしたから、眠らせただけ。それと、ボクとの記憶も無いはずだよ。まぁ、キミに気付かれちゃったから、叫ばれても同じだったけど、キミに取ったら、Aにボクの事知られない方が都合が良いんじゃない?」

「テメェは…何者だっ…」

「クリスって呼んでくれないと、答えないよー」

「チッ…。クリス…。お前は…何者だ…?」

「ボクはねぇ、人間ではないんだ」

「それくらい…分かるっ…」

「へぇ。凄いじゃん!」

「どうせ…、悪魔か…なんかだろ…」

「ブッブー!残念!ボクは人間から神様って呼ばれてるよー。神様って良く分かんないけどねー」

クリスがフロイドの乾燥してきた鱗の一枚を剥がした。

「イテッ…!」

「キミの鱗、キラキラしてるー。何もかもが綺麗なんだねー。これ、ちょうだいね」

クリスが鱗を自分の顔に貼り付けた。

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月23日 16時

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