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フロイドの思い 〜6〜 ページ31

その横のピアスを触る。

「綺麗なピアス…」

「ジェイドとお揃い」

「……。昼間…、ジェイド先輩来ました?」

「うん。談話室で話ししたよ。アズールと」

「私の部屋には?」

「来てないんじゃね?」

「そうですよね…」

「うん。なに?ジェイドが気になるの?オレより?」

「違いますよっ…」

「ならいーけど。じゃ、オレもシャワーしてこよっかな〜」

「はい。ここで待ってますね」

「寝てなくて大丈夫?」

「この2日間たっぷり寝ましたから。全然大丈夫です」

「でも体力落ちてるから、ムリしちゃダメだよ。ソファーでもいーから、寝っ転がってなよ」

「はい…」

フロイドはシャワールームに行った。

フロイドがいなくなり、やることもなく、フロイドに言われた通りAはソファーに寝転がった。

「天井、こんなに高いんだぁ…」

寝転がったまま談話室を見渡す。

〜こんな大きな寮に…、本当なら私だけ住むはずだったんだ…〜

今更また怖さが込み上げてきた。

「………」

Aはゆっくり起き上がり、シャワールームへ向かった。

「フロイド先輩…?」

シャワーの音でフロイドにはAの声は聞こえていない。

「ここで…、待っても良いよね…」

Aは脱衣所の椅子に座ってフロイドが出てくるのを待った。

「へぇー。髪、黒くてサラサラだねー」

突然横から声がした。
Aは驚いて声のする方に振り返った。
今日の午後フロイドに声を掛けたシルバーの長い髪の男だった。

「フロイド…」

Aが叫ぼうとした瞬間、その男がAの額に人差し指を軽く当てた。

「ごめんね、騒がれると面倒だから」

その直後、Aは眠るように身体が崩れ落ちた。
男はAが床に倒れないよう支えた。

「ちっちゃい女の子だねー」

そして脱衣所の床にそっと寝かせる。

「これが異世界の人間なんだねー」

男がAの髪を触る。

「こんなに近くで見るの初めて…」

次に頬を触る。

「うわぁ…。柔らかいなぁー」

男がニッコリする。

「この唇にいっぱいキスしてもらってるの?」

男がAの顔をまじまじと見る。

「ボクもキス、してみよっかなぁ」

男がAの唇にキスをしようとした。
もう少しで唇が触れるところで男が止まった。

そして渋々立ち上がる。

「あーあ。もう少しでこの子とキス出来たのになぁ…」

「誰に許可もらってそんな事言ってんだっ。ああっ?」

フロイドが脱衣所に戻って来た。

あの人物 〜1〜→←フロイドの思い 〜5〜



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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月23日 16時

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