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ウツボちゃんの毒 〜2〜 ページ2

「は?何で…」

「闇の鏡の事で、僕とフロイドが学園長に呼ばれています」

「闇の鏡って…、まさかっ!」

「ええ。恐らくAさんに関連することでしょう。早く…って…」

アズールの言葉を聞き終わる前にフロイドは物凄い速さで歩き始めた。

アズールはため息をつきながらフロイドの後を追った。



「やっと来ましたね。さ、鏡の間に行きましょう」

学園長室に入ると、学園長がすぐに鏡の間に二人を連れて行った。

「闇の鏡。異世界の女子生徒は?」

『間もなくやって来る』

「間もなくって…」

「先程から突然、闇の鏡が言い始めたんですよ…」

『毒をもって、あの者はやって来る』

「小エビちゃんがもうすぐ戻ってくるのかよっ!」

フロイドが興奮する。

「フロイドっ。落ち着けっ」

アズールが制止する。

「毒をもってとは…一体何の事なのでしょうねぇ…?」

学園長も首をかしげる。

「何だっていーからっ、小エビちゃんはいつどこに戻って来るんだよっ?」

『毒をもって、あの者はやって来る』

闇の鏡は同じ事を繰り返す。

すると、闇の鏡が突然緑色に光り始めた。

そして。

鏡の中から人影が見えてきた。
緑色の光が消え、姿がはっきりと見えた。

「小エビちゃんっ!」

「フロイド先輩っ!」

「おや…。本当に間もなく戻って来ましたね」

Aが闇の鏡の中から現れた。

『毒が消えた時、汝はこの世界から消える』

「えっ…?」

Aが現れたばかりなのに、闇の鏡が縁起の悪い事を言った。

「闇の鏡。その毒とは?」

学園長が闇の鏡に聞く。

『汝が獲た毒は、この世界のものではない』

「意味わかんねぇよ…」

フロイドも難しい顔をする。

「フロイド先輩…」

フロイドはAの肩を抱き寄せた。

学園長もアズールも、やれやれとため息をつく。

「Aさんの獲た毒が消えたら、Aさんはこの世界から消える。と言うのは、また元の世界に戻ると言う事ですか?」

アズールが闇の鏡に聞いた。

『その通りだ。また毒を獲ても、この世界に来ることは出来ない』

「それは今回が最後、と言う事ですか?」

『その通りだ』

「何でだよっ!」

『分からない』

「闇の鏡にも分からないのであれば、仕方がありませんねぇ。しかし、ここまで具体的に予言をされたのは初めてですよ」

『毒をもって毒を制す。そうすれば、その者は消えずに済むだろう』

「えっ?」

「曖昧な言葉ですね…。予言をしておきながら、肝心な部分が分からない…」

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月23日 16時

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