検索窓
今日:8 hit、昨日:33 hit、合計:4,672 hit

ウツボが好き過ぎる 〜6〜 ページ6

「アズール先輩もそうですが、ジェイド先輩とフロイド先輩って人魚なのに、どうして人間なんですか?」

「ふふ。ジェイド。Aさんにはこの世界の事、1から全て丁寧に教え手差し上げる必要がありますねぇ。まぁ、当たり前と言えば当たり前ですがね」

「ええ。では、僕がその役を担当いたしましょう」



その後、Aはジェイドからこの世界の事を色々教えてもらった。

人魚が人間に変身して陸に上がり、陸で生活する。
ほとんどの人魚はそんな事しないらしい。

〜うふふ…。でも、私の大好きなウツボが…、ウツボの人魚がこんなに身近にいるなんて!元の世界に戻りたいけど、少しこの世界でウツボの人魚たちと戯れてみたいっ…〜

Aは内心、少し喜んでいた。
ホームシックより、ウツボ愛が勝った。



放課後。

生徒たちが午後の授業を受けている間に、学園長からオンボロ寮に案内されたAは、自分が生活出来るように部屋を掃除していた。


「小エビちゃ〜ん!」

〜今の声は…〜

談話室の掃除をしていたAの元へフロイドがニコニコしながらやって来た。

「えっと…、フロイド先輩…ですよね?」

「うん」

「良かった…」

「何が良かったの?」

「フロイド先輩とジェイド先輩って、そっくりだし…、今日出逢ったばっかりで違いが…まだ分からなくて…」

「ふーん。オレの方が1センチ背高いよ」

「1センチ…って…。それだけじゃ…」

「あとぉ、このメッシュの向き。オレとジェイド、逆だよー。オレはこっち」

「なるほど…。もしかして、ピアスも逆ですか?」

「うん」

「少し、分かった気がします。ありがとうございます」

フロイドが談話室をぐるりと見渡す。

「こんなボロボロの部屋。住むの嫌じゃないの?」

「仕方ないですよ…。その、オクタ…ヴィネル寮でしたっけ?部屋、余ってないんですよね?」

「そーみたい。それにぃ、男しかいな〜い…」

「……ある意味…、ここで良かったかもしれないです…」

「ふーん。じゃ、オレもここの一部屋、借りよっかな〜」

「えっ?何でですかっ?自分の部屋、オクタヴィネル寮にあるんですよねっ?」

「うん。あるよ。でもぉ、他にもオレの部屋があれば飽きないじゃん?」

「…それって…、私とフロイド先輩が二人だけでこの寮に住むって事…ですよね…?」

「別に毎日じゃないかもしれないけどー」

「寮長のアズール先輩に怒られるんじゃ…」

「アズールは何も言わねーよ」

ウツボが好き過ぎる 〜7〜→←ウツボが好き過ぎる 〜5〜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月19日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。