突然の別れ 〜3〜 ページ49
ジェイドは急いでフロイドの後を追った。
「フロイド一人では行かせられません。アズールか僕が一緒でないと。この件は寮の問題でもありますから…」
「ジェイド仕事だろ?仕事終わるまでなんてオレ待てねぇよ」
「そうですね。今からアズールに連絡をしますから、ここで少し待っていてくれますか?」
「……分かったよ…。早くね」
「ええ。なるべく急ぎますから」
ジェイドがバックヤードに戻り、事務室にいるアズールに電話をする。
少しして。
「フロイド、お待たせしました。アズールが同行してくれることになりました」
「ふーん」
間もなくしてアズールがやって来た。
「Aさんが突然いなくなったそうですね。Aさんは我が寮の寮生ですから、これからの対応も含め、学園長に報告しなければなりません。フロイド、行きますよ」
「うん」
「二人とも、よろしくお願いしますね…」
学園長室へ向かうアズールとフロイドを、ジェイドはバックヤードの入口前から見送った。
アズールとフロイドは学園長に事情を伝えた。
学園長もフロイドと同じ様に闇の鏡が何か知っているかもしれないと言ってくれた。
3人は鏡の間へ向かった。
「闇の鏡。先日の異世界からやって来た女子生徒が突然いなくなりました。元の世界に戻ったのですか?」
学園長が闇の鏡に聞く。
『あの者はオクタヴィネル寮』
「は?何言ってんの?」
闇の鏡の答えにフロイドがイラついた。
「それはつまり、彼女はまだオクタヴィネル寮生と認定されているという事でしょうか?」
『その通りだ』
アズールの言葉に闇の鏡が答えた。
「フロイド。Aさんはまた帰ってくる可能性が高いですよ。まだオクタヴィネル寮の寮生として認定されているのですから」
「いつ戻って来るんだよ…」
『分からない。だがあの者は我がナイトレイブンカレッジの生徒であり、オクタヴィネル寮生に違いない』
「いつ戻って来るかは闇の鏡にも分かんなくても、小エビちゃんは絶対また戻ってくるの?」
『あの者は我がナイトレイブンカレッジの生徒であり、オクタヴィネル寮生に違いない』
「同じ事言ってんじゃん…。じゃあさ、小エビちゃんはどうやってこの世界に来るの?」
『分からない』
「フロイド。Aさんが戻って来るまで待つしかありませんよ」
「そうですね。Aさんはまだ我が学園の生徒であると、闇の鏡が言っている以上、彼女の籍はそのまま継続されます。フロイド君、待ちましょう…」
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月19日 9時