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フロイドの抱擁力 〜2〜 ページ33

「はいはい…」

フロイドがスマホのアラームをセットする。

「おっけー。じゃ、小エビちゃん、寝なさい」

フロイドがベッドに腰を掛ける。

「え?一緒に寝てくれるんじゃ…」

「寝るよ。そこのソファーで」

フロイドが顎でベッドの反対側に置いてあるソファーを指し示す。

「そう言う…一緒…です…よね…」

「違うの?だってぬいぐるみあるでしょ?」

「期待してたのは…私だけだったんでしょうか…」

「小エビちゃん。オレとベッドで一緒に寝るつもりだった?」

「……はい…」

「……ふーん…」

フロイドがベッドの掛け布団を捲る。

「はい。早くベッドに入って」

「…はい…」

Aは渋々ベッドに入る。

すると、フロイドもその後ベッドに入って来た。

「これでいーの?」

「えっ…。…はい…」

「これで安心して眠れる?」

「はい…。たぶん…」

「たぶんじゃダメ〜。ちゃんと、寝なさい」

「うふふ…。はいっ…」

「……小エビちゃん…。抱きしめても良い?」

「はい…」

「小エビちゃんの匂い、嗅ぎたいの」

フロイドはベッドの中でAを優しく抱きしめた。

「いい匂い…」

「嬉しい…」

「いい匂いだから?」

「ううん…。フロイド先輩と、こうやって眠れる事が…」

「出逢ったばっかりなのに?」

「またそれ言うんですかっ…?」

「大丈夫。何もしないから…」

「はい…」

「いい匂い…」

「たくさん、嗅いでくださいね…」

「うん。ずっとこうしてる」

「私も、このままが良いです…」

「オレに潰されるかもよ?」

「もしかして、寝相悪いですか…?」

「うん。良くベッドから落ちるよ」

「うふふ…。今夜は落ちないでください…」

「うん。頑張ってみる」

「私のことも、潰さないでくれますか?」

「うん。頑張ってみる」

「はい…」

「ぬいぐるみ、いらないの?小エビちゃんの背中に押し潰されてるよ?」

「フロイド先輩に抱きしめられて眠る方が…、きっと眠れますから…」

「きっとじゃダメ〜」

「そうですね。フロイド先輩だから、良く眠れます…」

「うん」

「部屋の照明、消しても良いですか?」

「いーよ。先に消しとけば良かったね」

フロイドが起き上がり、照明のスイッチをオフにした。

そしてまたベッドに入って来た。

「もう一回、抱っこするよ?」

「はい…」

フロイドがまたAを抱きしめた。
今度は少し強く抱きしめてくる。

そしてAの首に頭を埋める。

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月19日 9時

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