登校初日 〜5〜 ページ25
「アイツはパルクールが得意だからな。いつもああやって、軽々と観客席を一周してしまうんだ」
ジャミルがフロイドを眺めながらAに教えてくれた。
「バスケの素質もあるし背も高い。本当に羨ましいよ…」
「ジャミル先輩は…、フロイド先輩が人魚だってことは…」
「もちろん知ってるさ。アイツは特別運動神経が良いんだろう。アズールとジェイドを見ていると、フロイドが異常なのが良く分かる」
「そうなんですか…」
「まぁ、あとはあの気分屋がどうにかなれば…な…」
ジャミルがため息をつく。
「そんなに気分屋なんですか?」
「ああ。練習中ならまだしも、他校との試合中でも、飽きると途中で全然やる気が無くなって、パスされたボールすら取らなくなるんだ…」
「うわ…。酷いっ…」
「それでせっかくいい調子だったのに逆転負け。なんてこともしばしばさ…」
「それだけ戦力でもあるって事ですよね?」
「考え方によっては、そうなるな」
フロイドが観客席を一周し、コートに入る。
なにやらエースと話しをしている。
「ウミヘビく〜んっ!勝負しよーっ」
フロイドがニコニコしながらジャミルを呼んだ。
「何だ、急に?」
「10本中、スリーポイント何本打てるか勝負してぇ、一番少なかった奴が明日の昼メシおごるの。どう?オレとカニちゃんとウミヘビくんでやろーよー」
「なかなか面白そうじゃないか。良いだろう」
「あははっ。そう来なくっちゃ。小エビちゃん、今から勝負するからぁ、見ててね〜」
「はい…」
ジャミルもノリノリでコートに向かった。
Aは飲み物を飲みながら勝負を見守ることにした。
〜それにしても、フロイド先輩の筋肉…凄いな…〜
ユニフォームから伸びる長い腕にもしっかりと筋肉が浮き出て見える。
〜ウツボの人魚が凄いんじゃない…。フロイド先輩が…凄いんだ…〜
ジャミルの話を聞いてフロイドの姿を見ながらAは思った。
3人の勝負が始まる。
ジャミル、エース、フロイドの順番にシュートするらしい。
他の部員も集まって勝負を見学し始めた。
良く分からない掛け声まで始まる。
1本目は全員外した。
しかし、2本目にジャミルが決めた。
3本目はジャミルとフロイド。
勝負は進む。
ジャミル4本、エース3本、フロイド4本、シュートを決めている。
残り2本。
9本目。
エースとフロイドが決めた。
「ドローだったら3本延長ね〜」
フロイドがニヤニヤしながら言う。
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月19日 9時