登校初日 〜4〜 ページ24
「初めまして。Aです。1年生…なの?」
「ああ。エペルのクラスだよな?今日さぁ。俺のクラスで、新入生が他のクラスに入ってガッカリ〜…って言ってたんだよー!だからさぁ。こんなところで紹介してもらえて、俺、ラッキー!よろしくね、Aさん」
「よろしく…」
「カニちゃ〜ん。小エビちゃんに手、出したらぁ…」
「そそそそんなことっ、出来る訳ないじゃないッスかー!」
「うふふ。なんだか、楽しそうな部活ですね」
「楽しいよ〜。小エビちゃんも、やる?」
「いえ…。私は運動が苦手で…」
「え?じゃぁ、何しに来たの?」
「カニちゃ〜ん。絞められたいの〜?」
「やれやれ。お前は本当にタイミングが悪いヤツだ…」
ジャミルがエースを見てため息をついた。
「そしてフロイド。女性の前だぞ。そんなところで着替えるな」
ジャミルがフロイドを見てため息をついた。
「ああ?」
フロイドは制服のブレザーもベストもYシャツも脱ぎ、上半身裸になっていた。
〜めっちゃ筋肉質っ…〜
むしろAがフロイドの上半身に釘付けになっていた。
「小エビちゃ〜ん。何そんなにオレの裸見てんのぉ〜?」
「あっ…。す、すみませんっ…」
「もっと近くで見る〜?」
フロイドがそのままAに近付いてくる。
「あのっ…」
「Aさん。喉、渇いたでしょう?こっちに飲み物があるから…」
すかさずジャミルがAの前に立ち、壁になる。
「おいっ!ウミヘビくんっ。邪魔すんじゃねぇよ」
「アイツは放っておいて、こっちだ。行こう」
ジャミルはフロイドを完全に無視して壁になる。
「はい…」
Aは強制的にフロイドから遮断された。
「っんだよ…」
フロイドがふてくされる。
「いやぁ〜。さすがに裸は…」
「ああ?カニちゃん、オレに説教すんの?」
「やめろフロイド。せっかく久しぶりに部活に来たんだろ。柔軟体操しっかりやっておけ」
「うるせぇなぁ。ウミヘビくんに言われなくたってやるっつーの…」
フロイドはユニフォームにさっさと着替え、柔軟体操を始める。
「よっと…」
「えっ!」
フロイドの声が聞こえたのでAが振り向いた。
フロイドが腕を伸ばせば壁の上にある観客席の手すりに手が届く。
その手すりに掴まって壁を軽々登り、あっという間に観客席の中に入ってしまった。
今日の観客席は無人だ。
更にフロイドは観客席の通路にある手すりの上に器用に乗り、どんどんジャンプして移動していく。
「凄い…」
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月19日 9時