登校初日 〜3〜 ページ23
「ウツボがバスケ部…」
「ああっ?小エビちゃん、オレに絞められたいのぉ?」
フロイドがAの顔をマジマジと覗き込んできた。
「すみませんっ…」
「ま、いーけど。オレが側にいないと、まだ危ねぇだろ?っつーか、一人にさせねぇけどさ…」
「はい…。フロイド先輩のバスケしてる姿、見てみたいですし…」
「じゃ、今から体育館に行こっ」
体育館に着くと、既に部員たちが練習をしていた。
「フロイド。今日は真面目にやる気になったのか?…ああ…。こちらが新入生の…」
「ああ?オレがいつ部活に来ようがオレの勝手だろ〜?」
「分かった分かった。俺が悪かったよ。で、こちらの新入生を紹介してくれないか?」
「あー。うん。小エビちゃん」
フロイドはそれだけ言った。
「小エビちゃん…?…またお前は変なあだ名を…」
「うるせぇなぁ〜。小エビちゃんは小エビちゃんだろー?」
「あの…、初めまして…。Aと申します」
「初めまして、Aさん。俺はジャミルと言う者だ。フロイドとは同級生で、見ての通り、部活も一緒。よろしくね」
「はい。よろしくお願いします」
「とても良い子じゃないか、フロイド」
「ウミヘビくん。小エビちゃんに手、出したら絞めるだけじゃ済まさねぇからな」
「そんな事する訳ないだろう…」
ジャミルが呆れてため息をつく。
「今日は見学に?」
「はい…。あの…」
「小エビちゃんは、オレの側に置いとくの。それだけ」
「オレの側に置いとくって…。Aさんは物じゃないんだぞ…」
「いちいちうるせぇなぁ…」
「あの…、昨日、オンボロ寮で…」
Aの言葉を途中まで聞いて、ジャミルは言葉を遮った。
「済まない。余計な事を言ってしまったようだ。ここなら安心して見学も出来るから、部活が終わるまでゆっくりしていってくれ。飲み物あるしな」
「ありがとうございます」
「えっ!もしかして新入生?」
「はぁ…。まったく…。お前はいつもタイミングが悪い時に来るんだから…」
「えっ?えっ?ジャミル先輩!俺にも紹介してくださいよ〜!」
「カニちゃんうるせぇよ…」
「え?フロイド先輩っ。いつからいたんッスかっ…」
「カニちゃん。小エビちゃんね。小エビちゃん。カニちゃん」
「へっ…?」
フロイドのざっくりな紹介にカニちゃんが固まる。
「仕方ない。俺が代わりに紹介しよう。Aさん。コイツは1年生のエースだ。エース。こちらはAさんだ」
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月19日 9時