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ウツボが好き過ぎる 〜3〜 ページ3

「いえ…。あの、私、どこかに連れて行かれるんですか?」

「ええ。今からあなたをこの学園で一番偉い人の所へ連れて行きます。ジェイド」

偉そうなアズールがジェイドに声を掛ける。

「はい。かしこまりました」

すると、ジェイドがAのすぐ横に立った。

〜でっかっ……〜

思わずジェイドを見上げる。
それに気付いたジェイドがニッコリ笑って言った。

「ふふふ。何も怖い事はいたしません。大丈夫です。僕に、付いてきてくださいね」

「…はい…」

「フロイド。お前は空腹なのでしょう?先に食堂で昼食を取っていても構いませんよ」

「えー?オレだけ置いていくワケぇ〜?何か面白くなってきたからぁ、オレも、学園長の所に行こっと」

「はぁ。勝手にしなさい。こんな気分屋には付き合っていられない」

アズールがため息をつきながら歩き出す。
その後ろをジェイドがAを連れて歩く。
その少し後ろからフロイドが付いてくる。


「ところでAさん。その大きなぬいぐるみ。ウツボでは?」

「え…?あっ…」

ジェイドに言われて気づく。
そう言えば、制服を着ているのにウツボの抱き枕を抱えたままだ。
Aはやはり怪しいヤツにしか見えない。

「恥ずかしっ……」

Aが呟き、抱き枕をギュッと抱きしめた。

「ふーん。変な色のウツボ」

後ろを歩くフロイドが言い放つ。

「あの…、これは夢じゃないんですか…?」

「さっきからあなたは変な事を言いますねぇ。ここがどこだか知らないのですか?」

アズールが呆れながら言葉を続ける。

「ここはナイトレイブンカレッジですよ?」

「ナイトレイブン…?」

「おや。本当に何も知らないようだ」

隣を歩くジェイドがAを覗き込んだ。

「夢…?」

「いいえ。現実です。このツイステッドワンダーランドの中でも、名門中の名門。魔法士養成学校のナイトレイブンカレッジです」

「ツイステッド…ワンダーランド…?どこですか…?」

「あははっ!ツイステッドワンダーランドを知らないって、ちょ〜おもしれぇじゃ〜ん」

突然後ろからフロイドの笑い声が聞こえた。
そしてフロイドがAの肩に腕を回して来た。

「ふーん…。で、小エビちゃんは〜、どこから来たの?」

じっと見つめてくるフロイドの目に、Aは吸い込まれそうになった。

一瞬鼓動が速くなる。

〜キレイな瞳…〜

「おや。小エビちゃんとは、Aさんのあだ名ですか?」

「うん。ちっちぇ〜から、小エビちゃん」

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月19日 9時

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