二人だけの寮 〜4〜 ページ20
「あー。好きってことね。別に勘違いじゃないじゃん。本当の事でしょ?」
フロイドがサラっと言う。
「えっ…?」
「オレ、小エビちゃん好きだもん。小エビちゃんも、オレのこと、好きでしょ?」
「……それは…恋愛として…ですか…?」
「そーじゃね?」
「出逢って一日ですよ…?恋愛的に好きなんて…」
「あのさ。小エビちゃんは出逢って何日経てば納得するの?こんなのさ、フィーリングだろ?」
「……そうかもしれませんけど、私はまだ…フロイド先輩のこと、何も知らない…」
「知らないと、好きになっちゃダメなの?オレだって、なんで小エビちゃんにこんなに惹かれるのか、分かんないもん。でも、好きになっちゃったんだから、しょーがなくね?」
「……フロイド先輩に…興味があるのは…、確かです…。でも、それが好きと言う感情なのかは…、分かりません…」
「ふーん。でもさ。今朝、オレに抱っこされても、イヤじゃなかったんでしょ?」
「はい…」
「明日は?抱っこしても良い?」
「……はい…」
〜なんでっ、はい…って言っちゃってんのーっ!…それって、やっぱり好きってことじゃん…〜
自問自答する。
「それ、好きってことじゃん」
フロイドに言われてしまった。
「……はい…。そうなの…かも…しれません…」
「ほらね?」
フロイドがAに向ってマジカルペンを振った。
「あ…、ありがとうございます…」
「どーいたしまして。昨日の制服より、こっちの方が似合ってるよ…。スラックスだし」
フロイドがAに近付いてくる。
「この学園でスカートなんて履いてたら、襲ってくれって言ってるようなもんだろ…」
「……でも…、フロイド先輩は襲わなかった…」
「アズールもジェイドもだろ?」
「そうでしたね…」
「メシ食ったら、学園長室に送ってあげる。それまではオレと一緒だから、大丈夫だよ」
フロイドが少しムッとした表情を浮べる。
「ありがとうございます…。あの、怒ってます?」
「ああ?別にぃっ」
「私、何か気に障ること、しましたか…?」
「そーじゃねぇよ…。今日一日、小エビちゃんが心配なだけ。今日も明日も、明後日も…。オレの目の届かない所にいる時、小エビちゃんが無事かどうかさ…」
「大丈夫ですよ。きっと」
「きっとじゃダメなの。分かってねぇなぁ…」
「じゃぁ、どうすれば…」
「どーしよーも出来ねぇから、心配してんだろ?」
フロイドがため息をついた。
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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月19日 9時