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パパとママになる 〜2〜 ページ2

「リーチさん。赤ちゃん、連れてきましたよ」

身体を綺麗にしてもらい、小さなベビー服を着た赤ちゃんを抱っこした助産師がやって来た。

「お母さんは今お休み中だから後でになるけど、お父さん。赤ちゃん抱っこしてみますか?」

「え?良いのですか?」

「赤ちゃんも、お父さんに抱っこされたいって」

助産師が笑った。
助産師はジェイドに抱き方を教えてゆっくりと赤ちゃんを渡す。

「………」

溶けてしまいそうなほどの微笑みをジェイドか見せる。

「僕たちの、娘…。サクラ…。なんて小さいんだ…」

サクラは目を閉じたまま、少し身動きした。

「ふふふ。パパの抱き心地、どうですか?」

「ジェイド君…。パパだね…。今の姿、最高だよ」

ベッドからAが微笑んだ。

「ええ。最高ですよ…」


「さ。次はママの所でおねんねしましょうね」

少しして、ジェイドは助産師にサクラを渡し、助産師がAの横にそっとサクラを寝かせた。

「しばらく置いておくから、親子水入らずの時間、過ごしてくださいね」

そう言うと、助産師は陣痛室から出て行った。

「………ジェイド君…。嘘みたい…。お豆ちゃんが…サクラになったんだ…」

「ええ」

Aがサクラの握られた手を小指でそっと触れる。
するとそれに反応して手を開き、Aの小指を握りしめた。

「ジェイド君っ!見て!私の指、握ってくれたよ!」

「可愛らしい…。ママが分かるのですね」

「サクラ…」

Aが名前を呼ぶ。

「髪、ジェイド君と同じ色ですね」

「ふふふ。パパ似かな?嬉しいですねぇ…」

「目を開けたら…、どんな瞳なんだろう…」

「楽しみですね」

「輪郭は私じゃない?」

「うーん。そうかなぁ?鼻は僕ですね」

「ジェイド君ばっかりじゃズルいですよっ」

「ふふふ。女の子はパパ似の方が幸せになるって、聞いた事ないですか?」

「……あるけど…。私要素も欲しいですよ…」

「もちろん、ありますよ。唇なんて、Aそっくりだ…」

二人の話が尽きない。

「ジェイド君の好きな私の唇にそっくりなんて、なんか、笑っちゃう」

「ふふふ。可愛くて、美人な子になりますね」

ジェイドがサクラの頬を指で優しく触った。

「僕が、Aとサクラとくーちゃんを、守っていくから…」

「はい…」

「A…。サクラを産んでくれて、本当にありがとう…。そして、本当に、良く頑張りましたね」

「うん…。ずっと、ジェイド君が側にいてくれたから、頑張れたんだよ…」

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作者名:魅樹 | 作成日時:2023年4月9日 22時

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