暴走寮長、寮に帰る 〜1〜 ページ44
「当たり前ですよ…。Aがもう、あんなことしないと言う事は、信じていますから」
「はい…」
「だから、学園に戻る事も、許可しますよ…」
「…ありがとう…」
「くーちゃんもいてくれますしね」
『キュンッキュ〜ンッ』
くーちゃんが起きた。
「おはよう、くーちゃん」
『キュンッ！』
「うふふ。お腹空いたって」
「くーちゃんは起きたらいつもこうですねぇ。食いしん坊な子だ。ふふふ」
「ジェイド君。私、お風呂入りたいです…」
「おや。お腹空いた子に、お風呂入りたい子。朝から困りましたねぇ…」
くーちゃんがジェイドとAの間に入って来た。
『キュンッ』
「朝ごはん、何？だって。うふふ」
「はぁ。そうですねぇ。…フレンチトーストはいかがです？」
「嬉しいっ！私、ジェイド君のフレンチトースト食べたかったの！」
『キュンッキュンッ！』
「フレンチトースト作るのは久しぶりですからね。その前に、お風呂の準備もしなくては」
「昨日ジェイド君がお風呂入らせてくれないからですよっ…」
「大雑把なAを、僕が放っておくと思いますか？しかも白いワンピースなんか着ちゃって…」
ジェイドが眉根を寄せて笑う。
「それはフロイド先輩が白に変えただけでしょっ！」
「元の色に戻さなかったくせに」
『キュンッ！』
「早くフレンチトースト食べたいって言ってますよっ」
「分かりましたよ…。ほら、二人とも、起きますよ」
忙しい朝が始まった。
「朝のお風呂って、気持ち良いですね」
「ふふふ。それは良かった。リフレッシュ出来ましたか？」
「はいっ」
「くーちゃん。Aもお風呂から戻って来ましたし、みんなで朝ごはん、食べましょう」
『キュンッキュンッ！』
「僕は食べたらお風呂に入りましょう」
三人でフレンチトーストを食べた。
リビングには甘いバターの香りが漂っていた。
Aは明日学園に戻ることになった。
明日は休日と言うこともあり、帰りやすいタイミングだとジェイドが判断した。
そして。
翌日。
「ジェイド君。私を信じてくれて、ありがとう」
「信じるのは当然の事ですよ…。でも、もし学園で、抑えきれなくなりそうな時は、そのまま瞬間移動で僕の所に来るのですよ。そうならないと信じていますがね」
「はい…」
「くーちゃん。Aの事、よろしく頼みましたよ」
『キュンッ』
「任せてって言ってます」
「ふふふ。くーちゃんは本当に良い子ですね」
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年3月23日 21時
