暴走、再び 〜12〜 ページ43
「そのうち治るだろ…」
「本当に大雑把ですねぇ。でも、今のA、たまらなく刺激的ですよ…。それに、白いワンピース…」
ジェイドがAを抱きしめる。
「私にキスをしたら…、元に戻ってしまうぞ…」
「戻らないかもしれませんよ…。僕が鎮静剤を排除したキスをすれば良いのですから…」
「そんな事、出来るわ…けっ…んんっ…」
「さぁ…。このままベッドへ行きますよっ」
「ダメだっ…。ジェイド君…。私は……んんっ…。お風呂に入りたいっ…」
『キュンッキュンッ…』
ポンッ…
「…僕、寝る。って…言ってたぞ…」
「なんてくーちゃんは偉いのでしょうね」
「んぁぁっ……」
「ふふふ。大雑把なくせに、声だけは可愛いんだから…」
ジェイドは鎮静剤を排除したキスに成功してしまった。
翌朝。
二人はベッドにいた。
「おはようございます、A…」
「ん…ジェイド君…。おはようございます…」
「おや。寝たら元に戻ってしまいましたねぇ…」
「え？…あぁ。大雑把な私？」
「ふふふ。2日連続で違うタイプのAを味わえるとは…。何と言う贅沢…」
「ド変態…」
「知ってますって。でも、一つ分かりましたね。大雑把なAは、眠ると治る…。少し残念ですが…」
「私にとったら助かりますよっ…」
ベッドの中でAがジェイドに抱きつく。
「それと、大雑把でも、寝落ちは同じ。あんな偉そうな口を叩いていたくせに、僕の胸の中で頭を撫でられて、すぐに落ちました…」
「…良いじゃないですかっ…。私には変わりないんだから…」
「どうやら、少し強い魔法を使うときに、大雑把なAが現れる様ですね」
「うん…。昨日の自分を見て、私も何となくそう思いました」
Aがジェイドの左手を見る。
「ジェイド君、左手…」
ナイフを素手で掴んだ手のひらには、深い切り傷が出来ていた。
痛々しく包帯が巻いてある。
Aが治癒魔法で治したいと言っても、戒めだから、と拒否された。
「私の事、まだ怒ってる？」
「……怒ってませんよ…。ただ、二度と、あんな危険な事はして欲しくありません…。だから、この傷は、治させませんよ」
「……反省してるのに…」
「反省しているなら、尚更、この傷と向き合ってください。消すと言うのは逃げるのと同じです。Aがこの傷を見るのが嫌なだけでしょう？自分の間違った行動から目を反らせたいと」
ジェイドはかなり厳しい事を言う。
「………もう、しないから…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：魅樹 | 作成日時：2023年3月23日 21時
