暴走、再び 〜8〜 ページ39
リビングにはジェイドとAの二人だけになった。
「A…。Aの事…、信じてあげなくて…ごめんね…」
「あんな私を見れば、信じろって言う方が無理があるだろ…」
「ですが…、フロイドは初めからAを信じていました…。Aの事を一番分かっているのは、この僕のはずなのに…」
「それは…、私が何か仕出かしてしまっても、ジェイド君が私を元に戻してくれるって知っているからだろ…」
「ふふふ。そうなら、嬉しいですね…」
ジェイドがAの前に歩いて来る。
「その乱暴な言葉遣い。たまりませんね」
Aの腰を引き寄せる。
「何かのスイッチが入ると、こうなってしまうようだ…」
「乱暴な言葉遣いのAに罵ってもらいたいですが…、もう、おしまいですよ…」
ジェイドがAにキスをする。
長く長く。
Aもそれにずっと応える。
そして。
「ジェイド君…」
「ふふふ。おかえりなさい」
「ただいま…」
「僕のキスは本当に鎮静作用があるのですね」
「私のためだけの…ジェイド君のユニーク魔法…」
「良いではないですか…。もっと鎮静剤、投与して差し上げます…」
「んんっ…」
もう落ち着いているのにジェイドは追加の鎮静剤をAに投与した。
「フロイド、くーちゃん、ティータイムですよ。手を洗ってきてくださいね」
『キュンッキュンッ！』
「あははっ！くーちゃん、ちょーおもしれぇっ」
結局くーちゃんを空高く投げ飛ばして遊んでいたフロイドが、笑いながらくーちゃんとテラスに来た。
「バスルームで綺麗に手を洗ってきてください」
「はいはい。くーちゃん、行くよ」
フロイドとくーちゃんは仲良くバスルームに行った。
「フロイド先輩とこうやってお茶が出来るなんて、嬉しいですね」
「ええ。くーちゃんがフロイドを勝手に連れてきたせいで、僕の仕事はストップしていますが、今日くらい、すっぽかしましょう」
「私のために本店にも行かないで、ずっとリモートしてくれて…、ありがとう、ジェイド君…」
「ふふふ。これはこれで、僕は幸せですから」
ジェイドはティーカップをテラスのテーブルに置きながら微笑んだ。
そしてフロイドたちが戻ってきてからティータイムを始めた。
「フロイド。今日は学校休みなのですか？」
「午前中だけあったけど、午後は無し。ヒマだったし、小エビちゃんどーしたかなぁ？って思ってジェイドに電話したの。そしたら、ここに飛んで来た〜」
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年3月23日 21時
