命名 〜2〜 ページ29
「ふふふ。タコさん、リゾット楽しみにしていてくださいね」
『キュンッ！』
タコが喜びながらクッキーを頬張る。
「ジェイド君。タコちゃんの名前、良いの思いつきました！」
「おや、どんな名前です？」
「うふふ。クッキーが大好きだから、クッキーの、くーちゃん。どうですか？」
「くーちゃん。可愛らしい名前ですね」
『キュンッキュンッキュンッ！』
「うふふ。僕も気に入ったって」
「やはりタコさんは男の子ですよね…」
ジェイドはタコの性別を初めて知った。
「ジェイド君！もうタコさんじゃなくて、くーちゃんですよっ！」
「ふふふ。そうでした。くーちゃん、名前決まって良かったですね」
くーちゃんがジェイドの頭の上に乗ってきた。
「ジェイド君。くーちゃんが男の子だと、何か問題でもあるの？」
「いえ。実は、Aが眠っている間、くーちゃんは毎晩Aの胸の中で眠っていたんです。そこは僕の特等席だと、くーちゃんに言ったのですが…。相当お気に入りになってしまったようで」
「私の胸が…、ジェイド君の特等席…」
「そうでしょう？」
「……はい…」
Aが顔を赤くした。
「ふふふ。それで、Aの胸争奪戦になる前に、くーちゃんのベッドを作ってあげたんです」
『キュンッキュンッ！』
「変態…」
Aがくーちゃんに言った。
「くーちゃん、何て言ったんですか？」
「Aの胸の中、ふわふわして気持ち良いから、これからも一緒に寝る。だって…」
「くーちゃん。僕が許しませんっ！Aの胸の中は僕のものですよっ」
「変態が二人になっちゃった…」
Aが呆れて呟いた。
『キュンッ！』
くーちゃんはジェイドの頭から飛び降りてAの胸の中に潜り込んだ。
それから二日間、Aはジェイドに手伝ってもらいながら順調に回復していった。
「決闘からもう…一週間が経つんだ…」
夜。
ジェイドとAは寝室のベッドにいた。
「そうですね…」
「オスカー…、魔力どのくらい戻ってるかな…」
「気になるのですか？」
「あんな、生意気な態度していても…、一応、うちの寮生だし…。くーちゃん作ってくれたし…」
「くーちゃんは偶然の産物で、僕たちの家族なんですから…。そこは切り離しましょう」
「うふふ。ジェイド君くーちゃん大好きですね」
「ええ…。くーちゃんは良い子だし、とても、可愛い子ですよ」
「ジェイドパパ」
「そしたらAも、ママでしょう？」
「うふふ。はいっ」
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年3月23日 21時
