ジェイドとタコ 〜3〜 ページ26
『キュンッ』
ジェイドの頭にずっと乗っていたタコがテーブルに飛び降りた。
「タコさんも食べますか？…魔獣は確か…、雑食でしたよね。少し待っていてください」
ジェイドはキッチンからタコにシチューを持ってきた。
「このままだと熱いですね…」
もう一度キッチンに行って、小さめの皿を持ってくる。
その皿にシチューを小分けにする。
スプーンで少しかき混ぜて冷ましてあげる。
「スプーン…持てます？」
ジェイドが魔法でタコが持ちやすい大きさにスプーンを小さくした。
「こうやって持って、こうして食べるんですよ」
ジェイドがシチューの食べ方をタコに見せる。
タコはじっと見て覚えようとしていた。
『キュンッ！』
短い足を使ってスプーンを持つ。
ぎこちない動きでシチューをすくい、口に運ぶ。
「どう？美味しい？」
『キュンッキュンッ！』
タコは飛び跳ねて喜んだ。
「ふふふ。良かった。おかわりたくさんありますから、たくさん食べてくださいね」
ジェイドがバケットもちぎって皿に乗せる。
「バケットをシチューに浸して食べるのも、美味しいですよ」
ジェイドはタコと二人で夕食を楽しんだ。
夜遅く。
ジェイドは寝室で仕事をしていた。
〜12時…。そろそろ寝ますかね…〜
ジェイドはタブレットを閉じ、Aの眠るベッドに入る。
姿勢は全く変わらない。
「……すぅ……すぅ……」
ジェイドはAにキスをして頭を撫でた。
「おやすみなさい、A。明日、目が覚めると…良いですね」
『…キュ〜ン…』
タコの寝言がAの胸の中から聞こえた。
良く見ると、Aのネグリジェの胸元からタコの頭がほんの少しだけ見えていた。
「ふふふ。タコさんも、おやすみなさい…。今夜はAの胸の中、譲りますから…」
ジェイドは人差し指でタコの頭を撫でた。
翌日。
Aが目を覚ますまで、ジェイドはリモートで仕事をする。
各店舗の現状確認や、人事、抹茶のプリンの販売準備の指示など、全てタブレットとスマホだけでこなしていく。
昼間。
ジェイドがテラスで仕事をしている中、タコは庭で飛び跳ねて遊んでいた。
「タコさん、庭から外に出てはいけませんよ。Aか僕の側に必ずいてくださいね」
『キュンッキュンッ！』
わざわざジェイドの頬に体を擦り寄せに来る。
「ふふふ。お願いしますよ」
タコはまた庭で遊び始めた。
午後。
タコと昼食を終え、ジェイドはAの身体を綺麗にしに寝室へ来た。
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年3月23日 21時
