オスカー・フォード 〜2〜 ページ2
「寮長！納得いきませんっ！コイツが魔法を使ってきたんですよ！なんで処分されないんですかっ」
２年生がAに抗議する。
「彼はまだ昨日入学したばかりです。それに、魔法であなた達を攻撃した訳ではないでしょ？それを言うなら、先に殴ろうとしたのはあなたの方じゃないですか。しかも、くだらない理由で新入生を脅すなんて…。罰を与えられてもおかしくないところを、私は目を瞑ったんですよ？」
「僕は別に脅されたとは思っていませんよ」
オスカーがAに言う。
「はぁ…。私には脅しているように見えましたよ」
〜苦手なタイプ過ぎる…〜
Aがため息をつく。
「とにかく、あなた達は他の席で食事をしてください。先に座っていたのはフォード君なんですから」
「…はい…。寮長…」
２年生たちが渋々返事をする。
「今後、同じ様な事があれば、次はどちらも容赦なく処分しますから」
「処分って、どんなことされるんですか？」
オスカーがAに聞く。
「色々ありますよ。今は申し上げる必要はありませんっ」
「処分される基準はあるんですか？」
「フォード君、寮長に向かって…」
「僕はただ寮長に質問しているたけです。寮生の質問に答えるのも、寮長の仕事ではないのですか？」
〜いちいち腹立つなぁ〜っ！〜
「処分に関しては、私がその時に適切だと判断した罰を与えています。ですから、処分される基準がある訳でも、決まった罰がある訳でもありません」
「つまり、寮長の気分次第と言う事ですね？」
「あなた…、いい加減にしなさいよ…。あなたに寮長を馬鹿にする権限はありません。黙りなさい」
「はい。寮長」
またオスカーはすんなり命令を聞き入れた。
〜最悪っ！！〜
食堂は静まり返っていた。
「フォード君。昨日、私とは遠い親戚だと言っていましたが、もしそれが本当だとしても、あなたが特別扱いされるなんて思わないでくださいね」
「ふっ。そんな事、初めから期待していませんよ。僕はただ、寮長というものに興味があるだけですから」
Aの何かがキレた。
「言ってくれるじゃないですかっ」
食堂の物が一斉にガタガタと揺れ始める。
「Aっ！落ち着けっ！」
セナの声が聞こえた。
しかし。
パリーンッ…
オスカーの前にある水の入ったグラスが割れた。
机が水浸しになる。
「そんなに私を馬鹿にして面白いですかっ？」
「僕は寮長を馬鹿にしたつもりはありません。事実を述べているだけです」
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年3月23日 21時
