珊瑚の海での一週間 リーチ家編 〜6〜 ページ20
「そんな事ないです！ジェイド君は立派ですっ！私を守るためにここまでしてくれたんだもん…。情けなくなんて無いですよ…。私も、ジェイド君に出来ることをしますっ」
「もう充分してもらいましたよ？」
ジェイドが微笑んだ。
「痛みで泳げなくなった僕を、瞬間移動で家まで連れて来てくれた。更に治癒魔法で回復させてくれた…。なにより、僕の側に…Aがいてくれる…」
「……まだまだ…足りません…。もっと役に立ちたいです…」
「ありがとう、A…」
ジェイドがAの頭を撫でた。
「あの…、今何時ですか？」
Aは自分がどれだけ眠っていたか分からなかった。
「11時半です」
「………」
「もはやブランチですね」
二人はリビングに行った。
「パパ、ママ…、おはようございます…というか、こんにちは…」
恥ずかしそうにAがパパたちに言った。
「あら、Aちゃん、おはよう！」
「おはよう、Aさんっ。良く眠れたようだねぇ」
「はい…。こんな遅い時間まで寝ちゃって、すみません…」
「A、おしおきです」
「はい…」
ジェイドがパパとママの前でも当たり前の様におしおきのキスをした。
「良いのよ。それより、昨日は本当に大変だったわね。もっと寝ていても良いのに…。Aちゃんの身体もそうでしょうけど、魔力の使い過ぎでまだ疲れてが残っているんじゃない？」
ママがお茶を出してくれた。
「あの距離を瞬間移動して、更にはジェイドに治癒魔法までしてくれたんだ。普通の魔法士なら、寝込んでしまうくらいだよ」
「うーん…。昨日の夜は凄く眠かったけど、今はいつもと変わらない感じなので、たぶん大丈夫だと思います。パパ、ママ、心配してくれてありがとうございます」
Aがペコリと頭を下げた。
「んふふっ…。可愛いわね〜」
Aの姿にママが微笑んだ。
「ジェイド、具合はどうだい？」
「Aの治癒魔法のお陰でだいぶ動けます」
「食事は取れそうかい？」
「ええ。実はお腹ペコペコです」
ジェイドがニコッとして言った。
「ハッハッハッ！素晴らしい！では、みんなでブランチをしようではないか、ねぇ、ママ？」
パパが豪快に笑って言った。
「んふふっ。今日のブランチも、楽しくなりそうだわ〜」
「あっ、ママ！私もお手伝いさせてくださいっ！」
「ありがとう、Aちゃん。お願いするわ〜！ジェイドはその辺で適当に座っててね〜！」
自然とブランチが始まった。
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作者名：魅樹 | 作成日時：2023年3月4日 9時
