怪盗たちの恋愛事情。７【天空の難破船 / 黒羽快斗】

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『…嘘？』




立ち止まり、腕を確認すると…

手首が赤くなっている。



『…え、な、なんで…』



いつの間に…感染、してた…？




「おいA、早くしろ！
そこに居たらまた落ちるぞ」


『あ…』




先を行く彼らの後ろを2メートル以上間隔を空けて着いていく。

そんな中、私を渦巻く不安と恐怖。



2人とずっと一緒に居たし、
もし2人に伝染しちゃってたりしたらどうしよう




「そんじゃ、ま！グッドラックって事で」


快斗が新一に向けて口を開いた。




「オメーは行かねーのか？」


「ふっ…俺はここでしばらく様子見だ！
宝石はリーダーの手に渡っちまったし…

…そうだ、ほれ」



「お、おい！！」



何か透明なシートを取り出した快斗。

新一に投げ渡す素振りをみせ、新一は慌ててそれを受け取る。




って、オメーら実は友達だろ。仲良いな。

…なんてツッコミたくなる。()




…確かあれは、快斗の家で見せてくれた次郎吉おじさんの指紋シール？？



「何だこれ？」



「次郎吉さんの指紋シールだ

今回は指紋認証式のガラスケースって読みはズバリ当たったんだが…もう用ねーから、オメーにやるよ」




両腕を頭に添え、
その場に座り込むと足を投げ出した快斗。


足を組んだりして…何故かリラックスモードだ。




「…にしても、オマエの大事な彼女…
気をつけてやった方がいいぜ？」



「えっ？」



「あの藤岡って男に両腕を掴まれてさ…

けどすぐに飛び退いたし、咳やくしゃみしたわけじゃねーから、うつっちゃいねーと思うけどな」




ハッとして腕を後ろに隠した私。



快斗が真剣な表情で蘭の事を見つめていたのはそういう事か…。1人で勘違いしてた、こんな時に…。

自分がバカバカしくなってきて、思わず俯く。



っていうか、それはいつ頃の話だろう

私も喫煙室を出てきたばかりと思われる藤岡さんにしばらく手首を掴まれたまま道を案内して貰ってたし…


…その後か？




「一応、知らせとくぜ」


「……」



押し黙った新一。

すると、そんな彼と不意に目が合った。




「A、オメーも来いよ
さすがにキッドと一緒に居させるのは、」


『私は…ごめん。後から行くよ』


「…？」




嘘。行かないけど。

でも彼と共に行動する訳にはいかない
うつしてしまう




「でも、キッドと2人きりじゃ…」


『2人きりにもならないよ』


「…？」


その言葉に反応したように、
顔を伏せていた快斗が顔を上げた。







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