3.読めない彼 ページ5
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彼が去ってからというもの
サー…と聞こえてきたシャワーの音。
それを聞きながら、私は相変わらず
布団を抱きしめて横になっていた。
もちろん下着くらいはつけ直した。
あの部分に残る違和感からして、
もしかして……なんて思ったけど
ベッド脇にあるゴミ箱を覗き込んで安心した。
ちゃんと避妊はしてたらしい。
まず、どうしてこうなったかを整理しよう。
昨日もいつも通りピンガに当たって砕けた私は
行きつけのバーで酒を煽っていたはず。
交通手段が無かったから、ベルモットに連絡して
迎えに来てもらった所までは覚えている。
携帯を確認したけどちゃんと履歴も残ってる。
それに、振られてはバーに行く…なんて事は私のルーティーン(?)にもなっている。
バーテンダーの彼にも覚えられてるくらいだし。
(でもなんで、この人と一緒にいるの)
ベルモットが関係してることは確か。
自分の携帯を握りしめてぐぬぬ…と唸る。
「シャワー入れば?」
『__ッ』
__突然背後から聞こえた声に、心臓が跳ねた。
考え事に集中し過ぎて
ピンガが戻ってきたことに気付きもしないとは。
そんな挙動不審な私を見て首を傾げた彼。
「……覚えてねぇの?」
『…、』
覚えてない。
だから振り向けない。
男には慣れてる。
慣れてるから、大丈夫。
そう言い聞かせるも、うぶな反応が出てしまう。
…そう、この私
本気の恋愛なんてものは初心者も同然なのだ。
『お、覚えてない…』
「…ふぅん」
黒っぽい色をしたワイシャツのボタンを閉めながら
首だけを振り返らせて短く返事をしたピンガ。
「俺も、まさかこうなるとは思わなかったぜ」
『え、__』
そう言って近付いてきた彼は
強引に私の唇を奪う。
「お前今日仕事は?」
『…』
「オイ」
『!あ、ある』
「じゃ、鍵は今度会った時に返せよ」
未だに理解が出来ていなくて
ボーッとする。
黒スーツを纏った彼は
あっという間に準備をして
あっという間に出ていってしまった。
「詳しい話もまた今度な」
そう言い残して。
(…あれ、鍵って。)
つまり
ここ、ピンガの家ってこと?
……彼のことがますます分からなくなった。
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ピンガすき! - 読み返したよっ!大好き!更新停止かぁ………悲しいけどずっと待ってます!! (10月8日 16時) (レス) @page26 id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
すい - ウッ……ピンガ…不足…いや今日もフラれた。不足(?)なのか?更新…お願いしまぁぁぁす!(うざくてごめんなさい(>_<))親友の方もお願いします! (9月29日 7時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - また更新楽しみに待ってます! (9月29日 7時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 久しぶり見に来たらスッゴい人気出ててビックリしましたw楽しみに更新あるかな〜と見たら無くて少し残念でしたがまた一から読み返して「これは、人気になるよ!やっぱ何回見ても面白い!\(^o^)/」って思いましたwww (9月29日 6時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - まじで大好き!もっと見たい!親友の秘密を知ってしまったの方もっ (9月15日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年7月27日 23時