2.状況把握 ページ4
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起こさないよう気を遣いながら彼の体から抜け出すのは
力をなかなかに消耗させる。
『だーめだこりゃ…』
今は諦めて、彼が寝返りを打った時にでも逃げ出そう。
振られたから無理やり彼を襲った、なんて勘違いされちゃ私の命が無さそうだ。
それで、
上手く逃げられたら何を聞かれてもシラを切ろう
……そう思ってたのに。
「……っんん…」
彼の色っぽい声が漏れるとともに
ギュゥゥ…と締まっていく私の首。
『…ぐぇ………』
し、しぬ…抜け出す前に死ぬ!
「……ん、
はよ」
『』
お、起きてしまった……!
どうする
寝たフリをする?
……いや待て。
熊相手に気絶したフリは命取りだ。
なんて葛藤を繰り返していると
彼の腕の力が緩められていく。
よかった…これで窒息死は免れた。
(でもどうしよう)
そっと顔を上げると、まだ眠たそうな彼と目が合う。
「…今なんじ?」
『気にするとこそこ?』
なに普通に会話してんだよ。
ってか、私の声ガラッガラすぎんだろ。
すると、
突然上体を起こした彼に布団を持っていかれて
私の体が露になろうとした。
『や…ちょっ!』
布団を取り返すと今度は彼の腹筋が視界に入り込んできて、起きたばっかりなのに卒倒しそうになる。
男の体は見慣れてるけど
この人はやっぱ無理……!
昨日もフラれておいてなんなんだこの状況は。
「気にするって何を?」
『この状況』
「…部屋汚ぇな」
そうじゃないだろ。
ふざけてんの?この色男
しかもこの部屋、今気づいたけど私の部屋じゃない。
多分ホテルか…
ピンガの借りてるマンション辺りってとこかな
いや、警戒心の強い彼のことだから
私を自分のマンションに招いたりなんてするわけないか
「…お前さ」
『!』
急に声を掛けられ、自分の肩が過剰に反応した。
『…なっ、なに?』
「爪切れよ」
『へ』
そう言って向けられた背中には
爪で引っ掻いたような浅い傷がたくさん付いていた。
「ヒリヒリする」
『』
待って私
恥ずかしすぎて顔上げれない。
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ピンガすき! - 読み返したよっ!大好き!更新停止かぁ………悲しいけどずっと待ってます!! (10月8日 16時) (レス) @page26 id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
すい - ウッ……ピンガ…不足…いや今日もフラれた。不足(?)なのか?更新…お願いしまぁぁぁす!(うざくてごめんなさい(>_<))親友の方もお願いします! (9月29日 7時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - また更新楽しみに待ってます! (9月29日 7時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 久しぶり見に来たらスッゴい人気出ててビックリしましたw楽しみに更新あるかな〜と見たら無くて少し残念でしたがまた一から読み返して「これは、人気になるよ!やっぱ何回見ても面白い!\(^o^)/」って思いましたwww (9月29日 6時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - まじで大好き!もっと見たい!親友の秘密を知ってしまったの方もっ (9月15日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年7月27日 23時