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24.初めての恐怖心 ページ26









確かに彼は相当な気分屋である。
私と同じくらいの。







そんな彼が私とワンナイトだなんて
…それに特別な意味なんてなかったのだ。




分かってたつもりだったけど







『ほんと、さいってい』




「…あ?」







最低、と言われて眉を顰めたピンガ。

普段なら恐ろしいはずの彼のその表情…





だけどこの時の私には怖いなんて感情は全く無く
寧ろ苛立ちと悲しみの方が大きかった。









『じゃあさ…

じゃあ、キュラソーのとこにでもいけば?
この…女ったらし!!』




「…!」



『私だって…!』




バシッと頬を平手でぶん殴り、
玄関の扉を勢いよく開けた私はそのまま飛び出した。







(ヤバイヤバイ…!)





頬叩いちゃった!!

後ろから銃で私の背中狙ってないよね!?







…なんて、今更怖がってももう遅いか。




ピンガから取り上げてきた車のキー。

ちゃんと私の駐車位置に停まってる車に乗り込み、
早速エンジンをかけた。






アパートの事なんてどうでもいい


大したものも置いてないし






とにかく今はここから離れないと。






ただそれだけを考えて、車を発信させた。






……が。







『ガソリンカツカツじゃねーーかよ!!
おいバーボン!!』





ガソリンのメモリは残り1……。






どんだけ私の車乗り回してたんだアイツ…!



これじゃ走ってもすぐに止まるじゃん!!






かと言ってこの場に留まったなら私の心臓も止まってしまう。






今度は車の扉を開け、勢いよく走り出そうとした。






__が、遅かった。







「待てよ」





『ヒッ…』






ドアを開けると、背後で声がした。



物凄く怒り狂っていて、だけどそれを必死に押し殺しているような…そんな声。







「テメェ…やりやがったな」




『ピ……

ッ!?』







突然車に押し付けられたかと思いきや、


私の唇を強引に塞がれて
終いには唇を強く噛まれた。







『ん”…!?』



ガリッと痛々しい音も聞こえるくらい
強い力で。






『い”た…!』




ドンッと胸を押し返すと
その手さえも掴まれてしまう。






(なんて力…!)




この時、ピンガに対して
初めてこれ程までの恐怖心を抱いた。







『何…怒ってるの、?叩いたこと怒ってる…?』


震える声で尋ねると、彼は笑った。





「どこに行こうとしてる?」



また私の胸の内を見透かしたような目で。









「またバーボンか?」







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ピンガすき! - 読み返したよっ!大好き!更新停止かぁ………悲しいけどずっと待ってます!! (10月8日 16時) (レス) @page26 id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
すい - ウッ……ピンガ…不足…いや今日もフラれた。不足(?)なのか?更新…お願いしまぁぁぁす!(うざくてごめんなさい(>_<))親友の方もお願いします! (9月29日 7時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - また更新楽しみに待ってます! (9月29日 7時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 久しぶり見に来たらスッゴい人気出ててビックリしましたw楽しみに更新あるかな〜と見たら無くて少し残念でしたがまた一から読み返して「これは、人気になるよ!やっぱ何回見ても面白い!\(^o^)/」って思いましたwww (9月29日 6時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - まじで大好き!もっと見たい!親友の秘密を知ってしまったの方もっ (9月15日 22時) (レス) id: 400667dae2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:缶コーヒー | 作成日時:2023年7月27日 23時

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